“巣ごもり需要”でウサギブームも
人気の裏で社会問題化する飼育放棄【福岡発】
2022年8月25日(木)
ふわふわな毛並みに、つぶらな瞳。
一つ一つの仕種も魅力的。
そんな愛らしい姿で、近年、人気を集めているのがウサギだ。
コロナ禍の巣ごもり需要でのペットブームも後押しとなり、飼育する人が増え続けているという。
FNNプライムオンライン
◆知能は人間の3歳児並み…SNSでウサギが話題沸騰
飼い主(女性):
鳴き声とかはあまり発さないんですけど、その代わり体でいろいろ、鼻でツンツンしてきたりとかが、かわいいですね。
ウサギ主体っていうか、みんな親馬鹿になっちゃって。
家族のみんなとけんかしなくなった ウサギは、鳴くことがないので近隣からの苦情も出にくく、散歩の必要もないため、比較的、飼育がしやすいといわれている。
温厚で人に懐きやすく、知能は人間の3歳児並み。
福岡市東区の専門店には、指示に従って「お手」や「おかわり」ができる看板ウサギもいる。
看板ウサギといえば、SNSで話題沸騰中のあるウサギがいる。
フォロワー数は、何と2万人超えだ。
話題になった画像は、男性が、部屋いっぱいの巨大なウサギにまたがっているもの。
垂れ耳が特徴的なもっけくん(7歳)は、人が乗れてしまうほどの大きさ…、ではなく、飼い主のTAKUMIさんが画像編集し、巨大化させたモノだ。
その衝撃的な写真は、国内だけでなく、海外からも大きな反響を呼んだ。
◆暑さに弱いウサギ 真夏日に水もない状態で放置され…
近年、広がりを見せるウサギブーム。
ペット保険のアニコム損保によると、保険に入っているペットはイヌ、ネコに続き、ウサギは3番目に多く、2014年からの5年間で、その数は5倍に増加している。
人気を物語る一方で、問題になっているのが…。
この中にうさぎがいます。うちでは飼えなくなりました
大阪府で6月、ダンボール箱に入ったまま捨てられていたウサギが発見された。
暑さに弱いウサギだが、真夏日にも関わらず、水もない状態で放置されていたという。
保護した友希さん:
ダンボールを開けた瞬間、初対面の私の胸に飛び込んできた。
その時に、怖かったんやろな、暑かったんやろなって。
ダンボールに入れて捨てるということは、そこで死んでてもおかしくない。
飼えなくなったときは、次の家庭なりほかの飼い主を見つけてほしい。
さらに、別の地域では、ケージごとウサギが捨てられていたケースもあったという。
ペットとして人気になる一方で、こうしたウサギの飼育放棄が全国的に増加し、問題になっているのだ。
福岡も例外ではなく、福岡県警によると2021年、落とし物として届けられたウサギは30羽、しかし飼い主が現れたのは、わずか3羽にとどまる。
◆ウサギは保健所で保護対象外…民間の保護施設が警鐘
こうしたなか、ウサギ好きの有志が立ち上げたのが…。
福岡市うさぎ愛護センター・水上怜奈 所長:
こちらですね、どうぞ。
ここでは、50羽、保護できます。
7月21日に福岡市東区に開業した、福岡市うさぎ愛護センター。
イヌやネコと違って、保健所での保護の対象外となっているウサギ。
そうしたウサギのためのシェルターをと、3年前から福岡市動物愛護管理センターの指導・協力を得て、ようやく完成した民間の施設だ。
センターには、すでに保護されたウサギもいた。
福岡市うさぎ愛護センター・水上怜奈 所長:
ここにいるウサギは、みんな保護した子たちになります。
この子は、(元の飼い主側の)アレルギーでって感じでした。
ウサギの毛のアレルギーがある人は、呼吸器系とかで息苦しさとかが出るので ウサギを飼い始めたものの、アレルギーだということが発覚し、やむを得ずこの施設へ…。
センターには、こうした保護の相談や依頼が届いている。
福岡市うさぎ愛護センター・水上怜奈 所長:
ウサギを簡単にお迎えできる場所(店)もあると思うんですけど。
家族になるので、生涯ずっと、この子たちが寿命を全うするまでお世話をしてほしい。
ここの施設にいる子が、ずっとゼロになるように、お知らせや発信をしていきたい。
愛らしさで人気が高まるウサギ。
しかし相手は生き物だ。
不幸なウサギを少しでも減らすために、家族に迎える前の心構えと準備を忘れてはいけない。
【画像】愛くるしいウサギが人気…巨大化?衝撃的な大きさに国内外で反響も
(テレビ西日本)
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