最期まで飼い主のもとで幸せに
ペットホテルを営む女性の願い【福井・小浜市】
2022年8月23日(火)
最近、コロナ禍で生活に癒しを求めて犬や猫を飼う人が増えている。
そんな中、小浜市でドッグトレーナーとして活動する女性がいる。
犬が最後まで飼い主の元で暮らせることを願い活動する姿を追った。
小浜市内で開かれた県警察犬協会主催のしつけ教室。
コロナの影響で3年ぶりの開催とあって、市の内外から多くの参加者が集まった。
アドバイスしているのは、ドッグトレーナーの大森和代さん。
大森さんは県警察犬協会の会員で嘱託警察犬の指導手も務める。
保護犬をもらい飼育しているという高齢の夫婦。
避妊手術をした直後から鳴き癖がつき悩んでいた。
大森さんは、「犬が飼い主に伝える手段は吠えることしかない。何で吠えているのか理解してあげることが大切」とアドバイスした。
31才のころから県警察犬協会の会員として活動している大森さんは、県警からの要請があると、愛犬とともに様々な事故や事件の捜査に協力してきた。
13年前に市内にペットホテルを構え、県外から来る観光客のほか、仕事や用事で面倒が見られないという飼い主から犬を預かる仕事をしている。
もともと犬好きではなかったという大森さんは、ある出来事をきっかけに犬への気持ちが変化したという。
大森さんは、「初めて飼った犬が事故で死んだ。自分が悪いと自分を責めていた時に初めて飼ったシェパートが癒してくれた。その犬がいろいろな意味で『犬の良さ』を教えてくれた」と語る。
そんな大森さんが一番心を痛めているのが、飼い主による飼育放棄だ。
実は大森さん、何匹もの犬や猫を引き取って飼育している。
大森さんは、「捨てる人が増えている。人間の赤ちゃんと一緒。モノじゃなく命というのを理解してほしい」と強調する。
この日、入院するという人が犬を預けにきた。
犬と一緒に暮らしているというこの女性は「離れるのはとてもさみしい」と退院するまでしばしの別れを惜しんだ。
大森さんは、「1匹でも、犬を長く大事に家族の一員として世話してほしいから、困りごとには協力したい」と話す。
「最期を迎える時まで飼い主のもとで幸せに暮らしてほしい」、それが大森さんの願いだ。
「犬も年を取ると介護が必要になる。家族が仕事を辞めてまで介護するのは大変。ここで犬を預かって最後まで世話をして、飼い主と一緒にお見送りできるようにしたい」
今後も飼い主と犬とがより良い関係を築けるようサポートを続けるつもりだ。