数匹がいつの間にか20匹以上
独居老人宅で多頭飼育の猫、ふん尿やけんかで問題に
市とご近所が不妊手術をお手伝い
2022年7月24日(日)
鹿児島県日置市(ひおきし)は、吹上地域の90代独居女性が飼っている猫14匹の不妊手術を支援した。
同市が登録している公益財団法人どうぶつ基金(兵庫県)を通じ、法人の協力病院の獣医師が施術した。
不妊手術を終え、麻酔で眠る猫=日置市吹上の西宮内自治公民館
女性は数十年前から自宅で猫数匹を飼っていたが、現在では20匹以上に増え、近所でふん尿や猫同士のけんかなどが問題になっていた。
同日は女性の許可を取って、わなを設置。
女性宅の近くにある西宮内自治公民館で捕獲できた14匹を処置し、耳に切れ込みを入れた。
未処置の猫は捕獲でき次第、協力病院に運ぶ予定。
日置市職員のほか、市議や地域のボランティアらも手術を見守り、雑務を手伝った。
地域猫問題に取り組むさつま・しっぽの会(同市)の福永美幸代表(63)は「増やさない責任は飼い主にあるが、収入のない高齢者の多頭飼育は社会全体で考える問題。行政が動いてくれたことは大きな一歩だ」と語った。
不妊手術のため麻酔を掛けた猫をゲージから出す獣医師=日置市吹上の西宮内自治公民館
不妊手術を終え麻酔で眠る猫(手前)と、手術を行う獣医師=日置市吹上の西宮内自治公民館