2022年2月22日は、鎌倉時代以来800年ぶり「スーパー猫の日」
・・・例年にない盛り上がり
2022年2月15日(火) 読売新聞
全国の猫愛好家にとってスペシャルな日がやってくる――。
ニャンニャンニャン(222)の語呂合わせで2月22日は「猫の日」に指定されているが、2022年は「2」が6回も連なり、800年ぶりの「スーパー猫の日」として例年にない盛り上がりを見せているという。
コロナ禍で猫を家族に迎える人は増えており、猫をモチーフにした様々なグッズも登場している。
(内田桃子、杉山正樹)
猫ブームを先導してきたといわれる和歌山電鉄の猫駅長「ニタマ」
日本酒「白鹿」を販売する辰馬本家酒造(兵庫県西宮市)は、猫のイラストをラベルにあしらった特別純米酒(税込み2222円)を222本限定で18日に発売する。
保護猫の世話をしているという社員の田中美紗さん(39)が企画し、1本につき222円を地元の動物愛護基金に寄付する。
4日にインターネットで予約の受け付けを始めると、趣旨に賛同する消費者らから注文が殺到し、予約分は即日完売した。
その後も「追加販売はないですか」との問い合わせが相次ぎ、田中さんは「予想以上の反響」と驚いている。
猫の駅長で知られ、現在の猫ブームの火付け役ともいわれる和歌山電鉄(和歌山市)は、記念乗車券やLINEスタンプの販売を計画する。
担当者は「今年は 干支(えと) もネコ科のトラ。
最強の年になるはず」と声を弾ませた。
猫をイメージした焼き菓子や食パンなどを販売している大阪新阪急ホテル(大阪市北区)のパン店「ブルージン」は、今月末まで税込み2500円以上の買い物に使える22%割引券を配布している。
京都市の自営業の女性(53)は「かわいさにつられ、思わず立ち寄ってしまった」と話した。
猫をモチーフにしたパンの売り場(大阪市北区で)=宇那木健一撮影
時代は猫派?
猫の日は、愛好家や業界団体が1987年に制定した。
2010年代以降、猫ブームで写真集やグッズが増え、注目が高まった。2が六つ並ぶのは鎌倉時代の1222年以来となる。
ペットフード協会によると、21年の犬の飼育数は13年に比べて18%減の710万匹だったが、猫は6%増の894万匹だった。
21年に飼われ始めた猫は、コロナ禍前の19年に比べ24%増えた。
犬に比べ、室内で過ごすことが多い猫は「外出自粛で人に会えない寂しさをまぎらわせる」との声もある。
猫に関連した市場規模は大きく、その経済効果は「ネコノミクス」と称されるほどだ。
関西大の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)の試算では、20年の猫による経済効果は2兆824億円で、21年の東京五輪・パラリンピック(約6兆円)の3分の1に上ったという。
宮本氏は「今年は経済効果がさらに拡大する可能性がある」と分析している。
猫の日(2月22日 記念日)
愛猫家の学者・文化人で構成される猫の日実行委員会がペットフード工業会(現:ペットフード協会)と協力して1987年(昭和62年)に制定。
日付は猫の鳴き声「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」と読む語呂合わせから。
同委員会は、ペットブームの中、猫好きの英文学者・柳瀬尚紀(やなせ なおき、1943~2016年)らが発足したものである。
「猫の日」は全国の愛猫家からの公募により選定され、9000通の応募の中で約3割を占めた「2」が3つで猫の鳴き声「ニャン ニャン ニャン」となる2月22日に決定した。
この「猫の日」は「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日を」という趣旨で制定された。
この日には、猫のコンテストなどのイベントやキャンペーンが行われるほか、猫に関する啓発活動も行われる。
2010年(平成22年)の「猫の日」は平成では22年であったことから「22.2.22」となった。
そのため、茨城県水戸市の郵便局3局では「平成ぞろ目の日記念」と題して、猫の記念小型印が当日使用された。
この2月22日の「猫の日」は日本における記念日である。
「猫の日」は世界各国で制定されており、ヨーロッパの多くの国は2月17日を「World Cat Day」、アメリカは10月29日を「National Cat Day」としている。
また、8月8日は世界最大の動物愛護団体である国際動物福祉基金(IFAW)が制定した「世界猫の日(International Cat Day)」となっている。