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犬が「外に生えている草を食べるのが危険」なワケ

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犬が「外に生えている草を食べるのが危険」なワケ 獣医師がリスクを解説

2021年10月6日(水) いぬのきもち

お散歩中に、外に生えている草を食べる犬もいるでしょう。
SNSを見てみると、「サラダ」と称して食べているのを止めない飼い主さんもいるようですが…犬に害はないのでしょうか?
犬が外の草を食べることのリスクについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました。

◆犬が散歩中に外に生えている草を食べるリスクとは

――散歩のときに、外に生えている草を食べる犬がいるようです。食べてしまうことで、犬に害はないのでしょうか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「外に生えている草を食べることは、犬にとっても飼い主さんにとっても安全とはいえません。人獣共通の細菌性感染症のレプトスピラ症という病気があるのですが、これは保菌動物の尿、汚染された土壌や水から、皮膚や口をとおして感染します。 もし愛犬が食べている草に、ほかの犬のレプトスピラに感染した尿が付着していた場合、愛犬はもちろん、愛犬の顔や口と触れ合う機会のある飼い主さんも感染の危険があります」

――そんな危険性があったのですね。
獣医師: 「愛犬が草を食べるような場所は、ほかの犬が排尿・排便をしていることが多いはずです。それらを口にした愛犬と顔をくっつけて寝ることや、かわいがって触ることは衛生的とはいえないでしょう」

◆草に除草剤がついていることもあるので注意

獣医師: 「ほかにも、草には除草剤が散布されていることもあります。口から直接入ったり、手足の裏に付着した除草剤を舐めてしまうことで、毒性が強いものであれば犬の命に関わることもあります。 周りの草が生い茂っているのに、一部だけ不自然に枯れているような場所は特に注意しましょう」

◆犬が草を食べるのは、胃腸の調子に違和感があるサインのことも

――そもそも、なぜ犬は草を食べるのでしょうか?
獣医師:  「犬が草を食べるのは、胸やけや胃の調子が悪いときで、体調を自分で整える犬本来の行動であろうと考えられています。とはいえ、ペットとして暮らしている以上、犬と飼い主さんお互いの健康について考える必要があります。 愛犬が草を食べることがあれば、胃腸の調子に違和感を感じているサインかもしれないので、ウエットフードやお腹にやさしいフードに変えてみたり、かかりつけの先生に相談してみたりしてくださいね」

◆犬が口にすると危険な草木とは?

――犬が食べると危険な草木の例には、どのようなものがありますか?
獣医師: 「ソテツ、ポインセチア、アジサイ、ツツジ科植物(アセビ、アザレア他)などで中毒の原因になったという報告があります。ほかにも、スズラン、スイセン、ヒガンバナなど、中毒を起こす植物は多数あります。 犬の周りには有害な植物が多く存在するため、口にさせないよう防ぐことが大切です」

――植物のなかにも、犬にとって危険なものはあるのですね。

◆犬が草を食べて危険だった事例

――先生が実際に見た犬で、「こんな草木を食べて大変だった」という事例はありますか?
獣医師: 「中毒ではありませんが、ドッグランで大量の草を食べた犬がいて、消化されず細長い草そのものが3日間便から出続けていました。あまりにも大量だったので、胃腸で詰まったら開腹手術が必要だったかもしれません」

――それは犬も苦しかったかもしれませんね。 犬が誤って草木を食べてしまわないよう、飼い主さんは十分に注意が必要なことが分かりました。あまり気にとめていなかった飼い主さんもいるかもしれませんが、愛犬の散歩時には注意をしていきたいですね。

(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師) 取材・文/sorami

いぬのきもちWeb編集室

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