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目が見えず、耳も聞こえない保護猫

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目が見えず、耳も聞こえない保護猫
「手のかからない子」譲渡先探す

2021年9月23日(木) 朝日新聞社

岩手県釜石市の民間の動物保護施設「保護猫アンドゥ」に8月下旬、一匹の野良猫が預けられた。
茶色いしま模様の体にエメラルドグリーンの大きな目が愛くるしい。
でも、目が見えず、耳も聞こえない。
今までどうやって生きてきたのか。
そしてこれからは。
いろいろ考えさせられる。


風やにおいを感じ取ろうとしている「そうた」=岩手県釜石市大渡町の「アンドゥ」

20~26日は動物愛護週間。
猫はオスで、推定8歳。
預けられた時、テレビで将棋の藤井聡太三冠が話題になっていたことから、「そうた」と名付けられた。
しかし、猫はそんな名前で呼ばれても、気づかない。
7月7日の七夕。
釜石市の民家付近で保護された。
障害があり、生きていく力がないと判断されると殺処分になる事例もあるが、釜石保健所はアンドゥを頼った。
体が不自由だったり、病気だったりしても預かってくれる施設に期待した。
アンドゥにとって、これほど障害の重い猫は預かったことがなかったという。
一方で、そうたは、ハンディがあっても生き生きとしていた。
空間を把握する力があり、トイレも決まった場所でできる。
首を伸ばし左右にゆらし、天を仰いで窓から入ってくる風を感じ取って方角を知る。
一歩一歩確かめるように歩き、調子に乗って少し動きを速めると、ゴツンといすの脚に頭をぶつけ、可愛く驚く。
日常的に50匹以上の世話をするアンドゥ。
次々に猫が預けられるため、責任者の鈴子真佐美さんは多忙だが、通常施設に見に来てもらい、相互の相性を見ながら譲渡する。
そうたの場合も同様に譲渡先を探す。
音や光に反応することがないせいか、落ち着いた性格。
「手のかからない子です」
「動物は懸命に生きている。人間のほうも、責任を持って飼ってほしい」
鈴子さんは日々そう願う。
連絡は、アンドゥ(0193・22・1897)へ。
(東野真和)


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