ドッグセラピーで高齢者に癒しを
齋藤さん(八戸)ボランティアで施設訪問
2021年8月26日(木) デーリー東北
犬との触れ合いを通して認知症の高齢者らに癒やしを提供する「ドッグセラピー」に、ボランティアで取り組んでいる女性が八戸市にいる。
同市の「ペットタクシーひまわり」の代表を務める齋藤ヒデ子さんは、25年以上にわたり市内の高齢者施設などで活動を続けてきた。
齋藤さんは「犬との触れ合いが施設利用者さんの励みになれば」と思いを強くする。
新型コロナウイルス感染症拡大以前に行われたセラピードッグとの交流イベント。利用者は犬と触れ合い自然と笑顔があふれていた=八戸市
ドッグセラピーは、犬と触れ合うことでストレスが軽減し、精神的な安定や活発性の向上などの効果があるとされる。
精神疾患の治療や認知症のケアの場で活用されることもある。
ペット事業を手掛ける齋藤さんは約25年前、たまたまドッグセラピーに取り組む米国の病院を紹介するドキュメンタリー番組を目にした。
「病気と闘う子どもたちが犬と交流し、自然と笑顔になる姿に感銘を受けた」
自分にもできることがあるかもしれない―。
齋藤さんは居ても立ってもいられず、電話帳を片手に市内の高齢者施設に片っ端から連絡し、ドッグセラピーの活動をしたいと申し出た。
同時に、自身の店舗に所属する犬や、利用客の飼い犬にも協力してもらい、「セラピードッグ」として活躍できるように訓練を行うなど、本格的に活動を始めた。
近年は八戸市内だけでなく三沢市やおいらせ町の福祉施設などにも活動の場を広げており、どの施設でも好評。
齋藤さんにドッグセラピーを依頼したことがある八戸市の介護老人保健施設「サンライフ豊寿苑」では、普段は会話や表情が少ない利用者に自然と笑顔があふれ、中には以前飼っていた犬を思い出して涙ぐむ姿があったという。
利用者の80代男性は「人懐っこい犬で、触れていると気持ちが穏やかになった」と目を細める。
施設担当者も「利用者さんにとても好評で、『また来てほしい』という人も多い」と話す。
昨年以降は新型コロナウイルスの影響で思うように活動ができていない齋藤さんだが、今後も要望があれば施設を訪問する意向。
一方、活動するための人手が少ないことが悩みだといい、「協力してくれる人がもっと増えてくれたら」とドッグセラピーへの理解の輪が広がるよう願っている。
デーリー東北新聞社
この記事に述べられているように、アニマルセラピーのボランティア活動をやっている人への協力者が少ない、という悩み・・・、徐々にアニマルセラピーの必要性が認識されてきていると思うが、欧米先進国と比較すると雲泥の差、まだまだ低レベルの状態です。
(例)子ども病院で働くファシリティドッグ、アメリカでは数百頭が働いていると言われていますが、日本では4頭です。10年ほど前にアメリカ(ハワイ)から日本に来て神奈川県立こども医療センターで働いた「ベイリー」が始めてです。
アニマルセラピーの「セラピー」は「治療」という意味、単なる「癒し」ではありません。
とても言葉では言い表せない奥深いものがあるのです。
国そのものが国民への呼びかけ等を強化していかないとなかなか進展しないのではないでしょうか。
動物愛護ボランティア活動を行っている中でつくづく感じます。
(byぬくもり)