早朝、愛猫2匹に異変...近づくと自宅前に倒れた女性 無事保護に「猫が恩返しを」
2021年6月30日(水) 岐阜新聞社
猫が第一発見者―。
岐阜県関市下有知の会社経営加藤辰雄さん(82)の自宅前で19日早朝、近所の90代の高齢女性が倒れているのを加藤さんが見つけた。
女性は雨にぬれて手足が冷え切った状態で、近所の人と介抱して事なきを得た。
加藤さんは自宅の2匹の猫が騒いでいる様子で玄関先の女性に気付いたといい、「猫が人に恩返しをしてくれた」と喜ぶ。
雌のクロ
加藤さんが猫の異変に気付いたのは、同日午前4時50分ごろ。
布団の上で2匹が騒いでいる様子を見て、何かあったのかと思って寝室のある2階から階段を降りていくと、玄関のすりガラスの奥に黒いものが映っていた。
玄関から外に出ると、横倒しになった手押し車の横に女性がうずくまって倒れていた。
1人では重くて抱えられないため、近所の熊﨑彰さん(66)夫妻に電話し、一緒に軒先に運び込んだ。
女性は認知症だったが、名前を覚えていたため、家族に電話。
女性の長男(57)が迎えにきて、無事に体調が回復した。
2匹のうち、雄のみー子は産まれて間もなく捨てられ、片目が見えない状態。
雌のクロは近くのやぶにいた野良猫で、いずれも加藤さんが拾って大事に育ててきた。
「捨てられた猫でも愛情を注げば人の命を救ってくれる。動物の命を大事にしてほしい」と話した。
雄のみー子
高齢女性を一緒に介抱した加藤辰雄さん(右)と熊﨑彰さん。加藤さんが抱えるのは雄のみー子=関市下有知、加藤さん宅