口元縛られ置き去りの犬、東京へ 男性引き取り「ココロ」と命名
2014年12月27日(土) 福井新聞
里親の吉川さんと散歩する「ココロ」。
口元に傷痕が残るが、新しい環境が気に入っている様子だという=東京都(吉川さん提供)
口の周りにひもで縛られたとみられる深い傷を負い、福井県福井市の動物病院で保護されていた雌の雑種犬が、東京都内の男性に引き取られた。
「ココロ」と名付けられた犬は元気を取り戻し、新しい飼い主の愛情を受け散歩を楽しんでいる。
雑種犬は10月3日、同市花月3丁目の「さくら通り動物病院」前に置き去りにされていた。
傷は幅約1センチで、両あごを一周する形で皮膚が削られたような状態だった。
発見時はやせ細っていたという。
2~4歳とみられる。
治療した同病院が新しい飼い主を探していたところ、11月下旬に東京都東大和市の吉川彰治さん(45)から引き取りの申し出があった。
検索サイトに掲載された福井新聞社のホームページ「福井新聞ONLINE」の記事で犬のことを知ったという。
今月22日に病院を訪れ、東京に連れて帰った。
吉川さんは、東日本大震災で飼い主が被災した福島県の犬や虐待を受けた犬、保護された老犬など20匹近くの面倒をみてきた。
妻と2人で暮らす自宅マンションには10匹以上の犬がおり、翻訳の仕事の合間に散歩に出掛けている。
吉川さんは「口の傷はかなり良くなったと思うが、心に負った傷は消えないだろう。最近は動物虐待が増えているように感じる。自分たちが少しでも癒やしてあげたい」と話す。
「ココロ」は、他の犬とも仲良くなり、新しい環境が気に入った様子だという。
(大谷純平)