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亡き母が残した18匹の猫を育てるプロボクサーが決意の引っ越し!

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亡き母が残した18匹の猫を育てるプロボクサーが決意の引っ越し!
借金300万円背負い新たな“猫家”工事中

2021年5月29日(土) まいどなニュース

18匹の猫を育てる島川大器さん。
大阪府に住むプロボクサー・島川大器さん(36)は、2020年5月に心筋梗塞で急逝した母が残した猫18匹の世話をし続けている。
支援の輪が広がり、月15万円かかる家賃やえさ代などにメドがついた矢先、18匹の猫だけが住んでいる“猫家”に立ち退き問題が浮上。
府内に新天地を求め、引っ越しすることになった。


18匹の猫を育てる島川大器さん

18匹の猫たちはすくすくと、まるまると育っていた。
ごはんの時間になると、しっぽをピン!と立てながら島川さんのもとに近づいていく。
悪戦苦闘しながらも、母の形見となった猫と向き合った1年。
「助けていただいたという言葉に尽きる。皆さんに支えていただいて、乗り切ることができた」と振り返った。
SNSやYouTubeなどで島川さんを知った全国の人から、キャットフードや猫砂などの支援が届いた。
「ごはんだけで月3~4万円かかるところを、病院代に回すことができている」。


ごはんのにおいを嗅ぎつけ集まる猫たち
18匹の猫が一度にごはんを食べる姿は圧巻

月15万円かかる費用。
島川さんがプログラマーの仕事をすることで充てていたが、今では支援品やYouTubeの広告料などで、月5万円分ほどがまかなえるまでになったという。
里親の申し出もあったが、譲渡には至らなかった。
「自分の支出が減ったとしても、それでも猫の世話代だけで10万円は稼がないといけない。この子たちの世話の時間も増えるから、ボクシングの時間を削らざるを得ない」と、本業のプロボクサーは休業したまま。
朝、晩の3~5時間を世話にあて、猫中心の毎日を送っている。
キャットタワーが立ち、思い思いの場所で18匹の猫たちがなじむ“猫家”だが、夏までに立ち退かざるを得なくなった。
YouTubeで事情を説明したところ、視聴者から移転先として古民家のオファーが舞い込んだ。
法律にのっとった動物の収容施設にしなければならないため、工事をしているという。


工事中の新しい猫家

工事費用は約300万円。
島川さんが借金することでまかなうこととなり、古民家をオファーした視聴者の意向もあってクラウドファンディングも始めた。
新しい猫家で、猫たちが自分でお金をつくることができるようにしつつ、愛護活動の拠点にしたいと話す。
亡き母への思いが、原動力になっている。
「守らないとあかんというか。他の親族はこの子たちを見捨てたので僕しかいない」。
現在猫たちが住んでいる家は、島川さんの母が住んでいた家だった。
母の死後、多頭飼育崩壊が発覚。家の2階で悲惨な環境にいた18匹の猫を、島川さんが発見した。
トラブルに見舞われ、猫の面倒を見切れなくなっても、母は島川さんを頼ることはなかった。
「より母のことを強く思えるようになったのは、僕を頼ってくれたらいいのに頼らなかったところ。母にかけた言葉が重かったのか…」と振り返る。
島川さんは自身の挙式の際「老後は面倒を見るから、それまでは自分の好きにさせてくれ」と、経済的に自立することを促す手紙を渡したという。
家庭を持つ決意として、母に送ったなにげない言葉。
結果的に助けを求めづらくさせ、何もかも一人で抱えさせてしまったことを島川さんは後悔する。
亡き母が、肌身離さずその手紙を持っていたことを遺品整理の際に知った。
猫に気づかされた肉親への思い。
自身に向けられていたであろう母の愛情を、形見となった18匹の猫に注いでいる。
亡き母の家を離れる寂しさはあるが「この子たちがいることで、前向きに進めるような移転にしようということを考えて決意した。
移転することでいい風に動けばいいなと思っている」とステップアップを目指す。
8月にも18匹の猫とともに、新天地へ向かう島川さん。
「お金で倒れることは防ぎたい。この子たちがお金をつくることができて、自分達で生活できるようになれば」と夢を語った。


圧巻!しっぽをピンと立て、島川さんにすり寄る猫たち

(まいどなニュース/デイリースポーツ・杉田 康人)


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