「意外な展開、涙が」
保護された野良犬の実話、絵本に
2021年4月13日(火) 朝日新聞
絵本の主人公になった「マロン」。
左が野良犬時代、右が引き取った後。
「人におびえていたのが、いきいきとした表情に変わった」と、飼い主の橘秀美さんは言う。
「きみのなまえ」の絵を描いた金澤麻由子さん(本人提供)
現在のマロン。室内でゆったりと過ごしているという=2021年4月9日、橘秀美さん撮影
「きみのなまえ」(佼成出版社)
野良犬が保健所に収容された。
命を守ろうと引き取った親子は、犬の名前に関する意外な事実を知る――。
そんな実話を元にした絵本が出版された。
絵を手がけたのは神戸市の絵本作家金澤麻由子さん(39)。
「動物の命の尊さを思うきっかけになれば」と願う。
絵本は「きみのなまえ」(佼成出版社、1320円)。
福岡市内の林にすみついていた中型の野良犬がモデルになっている。
おどおどして人を恐れ、やせ衰えていく犬。
見かねた近くの親子が飼うことを決心し、「保護に協力してください」と書いた看板を林の近くに立てた。
ある日、保健所に収容されたことを知った親子は、急いで犬を連れて帰った。
栗色の毛にちなんで名前は「クリ」に。
飼い始めたと看板で報告すると感謝の言葉が次々と貼られた。
そしてメッセージに書かれたクリの「名前」から、地域の人々がクリを愛していたんだと親子は気づく。
朝日新聞はこの話題を2019年6月23日付朝刊社会面で報じ、朝日新聞デジタルでも配信した。
記事を読んだ児童文学者のあんずゆきさんが絵本の制作を発案。
「ぼくぱぐ」などの動物を描いた絵本で知られる金澤さんが絵を担当することになった。
実際に行動に移すことの難しさも
金澤さん自身、子どものころ公園で捨て犬を拾って飼った経験があり、物語に親近感をおぼえたという。
人におびえていたクリが、保護してくれた親子に対して心を開いていく様子を、目つきや毛並みで細やかに表現した。
名前の秘密が明らかになるクライマックスでは、クリの柔らかな表情が特に印象的だ。
「保護犬にまつわる心温まる話でありながら、実際に行動に移すことの難しさも映し出した」と金澤さんは言う。
今年1月末の出版後、販売しているウェブサイトのレビュー欄には「とても優しい物語。孫に読み聞かせたい」「読み進むうち予想外の展開になり思わず涙が…」といった感想が書き込まれている。
金澤さんは「捨てられ、処分されそうな犬もいる。ペットを飼う際は保護された犬も選択肢に入れてほしい」。
主人公の犬を実際に引き取った橘秀美さんによると、保護から約2年半たった今も元気だという。
絵本は書店のほか、ウェブサイト「minne(ミンネ)」やアマゾンで購入できる。
(小野大輔)
お目見え♪絵作絵本『きみのなまえ』〜保護犬の命を守る〜
=================
金澤麻由子の描く動物たちの小さな美術館へようこそ!
=================
こんにちは‼
あるがままを楽しむ専門家 ぼくぱぐ工房です。
このたび、保護犬の実話を元にした物語、『きみのなまえ』を、佼成出版社より1月30日(土)に出版いたします。
今日はその初校が届きました!
【母子と野良犬の実話の物語 新作絵本出版のお知らせ】
~保護犬という選択肢で守れる命があると知ってほしい~
コロナでペット需要増、不況でペット遺棄増、今こそ知ってほしい!
現代は、ペットショップで血統書付きのペットを飼う方が多く、高額な取引がなされているようですが、一方で、野良犬が保健所に保護されては殺処分されているというアンバランスな現実も同時に起こっています。。。
特に今年は、新型コロナウィルスで家で過ごす時間が増えたことから、ペット需要が増え、一方で、経済不況からペット遺棄されることも増えている現状です。
今回の新作絵本は、福岡県で実際にあった雑種の野良犬を保護する実話を元にした物語を児童文学のあんずゆきさんが書き、私が挿絵を担当し出来上がりました。
依頼が来たとき、私は即答したのですが、なぜなら、私自身も、野良犬を保護した経験があったからです。
物語を読んで、絵本の中の犬が、まるで5歳の時から20年間飼っていた私の犬のように感じられました。
一人っ子だった私に、野良犬の「ポチ」は、様々な経験をさせてくれました。
動物とのふれあいやお世話を通して、相手に寄り添うこともできるようになりました。
野良犬のキャラクターデザインは任せていただいたので、私が飼っていた雑種の「ポチ」を描かせてもらいました。
私の子供時代は日本に野良犬がたまにいましたが、現在ではほとんど見かけません。
でも、環境省によると保護犬の数は一年につき4万頭にものぼるそうです。
おそらく多くの方が、殺処分の現実を想像すらできないのではないでしょうか。
【きみのなまえ】
近所の林で見かけた、寂しそうな野良犬。たくとは家で保護しようと貼り紙をするのですが、その貼り紙が感動のドラマを生み出します。
著者:あんず ゆき 作 かなざわ まゆこ 絵
ジャンル:児童書 > よみもの > 小学校低学年から
シリーズ:おはなしみーつけた!シリーズ
出版年月日:2021/01/30
ISBN:9784333028436
判型・ページ数:A4変・64ページ
定価:1,320円(税込)
近所の林で見かけた栗毛の野良犬のことが、たくとは気になっていました。
家で保護しようと、お母さんと一緒に貼り紙をして連絡を待っていると、ある日、保健所に連れていかれたという目撃情報が入り……。
物語の後半、孤独だとばかり思っていたその犬の意外な事実が判明して、たくととお母さんは喜びで胸がいっぱいになります。
実話を元にした感動の物語。
【編集者コメント】
2019年に福岡県であった実話を元にした物語です。
そのエピソードをネット記事で知った作者のあんずゆきさんが、本人に取材をして新たな作品として創作しました。
孤独だと思っていた野良犬が、実はたくさんの人たちにかわいがってもらっていたことが判明するシーンがとても感動的です。