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「動物虐待動画で精神的苦痛」損害賠償求める

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「動物虐待動画で精神的苦痛」損害賠償求める
 動物愛護に関わる6人が投稿者を提訴

2021年2月17日(水) 東京新聞

インターネット上で拡散された猫の虐待動画を見て精神的苦痛を受けたとして、東京、神奈川など5都府県に住む女性6人が、動画を撮影・投稿した埼玉県内の男性に660万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴したことが分かった。
17日に第1回口頭弁論があり、男性は「自らに責任はない」とする趣旨の答弁書を提出した。
(近藤統義)

訴状によると、男性は2016年3月~17年4月、猫に熱湯や爆竹を浴びせたりガスバーナーであぶったりする虐待行為を繰り返し、自ら動画に撮影。
その一部をネット上に投稿し、多くの人が見られる状態にした。

◆残酷な内容を目にしてPTSD、うつ病と診断
動物愛護の活動に関わる原告6人は、この動画をツイッターやユーチューブで目にし、残酷な内容のため心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病と診断された人もいるとしている。
被告の男性は猫13匹を殺傷した動物愛護法違反の罪で、17年12月に東京地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けている。
動物虐待を巡っては、昨年6月に施行された改正動物愛護法で、殺傷した場合の罰則が強化された。
一方で動画の公開や流通を禁止する法律はない。
原告側は今回の集団訴訟を通じて「虐待動画が事実上野放しにされている現状への抑止力や、規制に向けた後押しになれば」としている。

◆「表現の自由超え、放置すれば犯罪誘発」
動物愛護の問題に詳しい植田勝博弁護士(大阪弁護士会)は「残酷な犯罪行為を動画で垂れ流し、嫌悪感を与えるのは社会のルール違反で、表現の自由を超えている。これを放置すれば犯罪を誘発しかねず、法律などで規制すべきだ」と指摘している。


【事件についての詳細】

大矢誠による事件概要
2017年8月27日、猫に熱湯を掛けたりバーナーであぶったりするなどの虐待をして死なせたとして、警視庁保安課は動物愛護法違反の疑いで、さいたま市見沼区御蔵の元税理士、大矢誠(昭和40年8月24日生まれ・逮捕当時52)を逮捕した。



大矢誠は虐待の様子を動画で撮影し、インターネット上に投稿していた。
「猫は糞(ふん)尿が臭く、爪研ぎで壁を傷つける。有害動物の駆除であり、法律違反になるとは考えていない」などと当初容疑を一部否認していた。
逮捕容疑は2016年4月~2017年4月、親族所有の埼玉県深谷市櫛引54-11の廃屋で、わなで捕獲するなどした猫3匹に熱湯を繰り返し浴びせたり、ガスバーナーであぶったりして死なせたとしている。
同課によると、大矢誠は2016年1月~2017年4月ごろ、少なくとも13匹の猫を同様に虐待して死なせたとみられる。
撮影した動画は身元が特定されないよう公共の通信環境を利用して匿名の動画投稿サイトに投稿していた上、ネット匿名掲示板「2ちゃんねる」などに掲載をほのめかす書き込みをするなどしていた。
「2ちゃんねる」では、虐待マニアから「神」と呼ばれていた。
2017年5月、動画を見た人から通報を受け、警視庁が調べていた。

・2017年9月15日 起訴
2016年4月~17年4月、埼玉県深谷市内で、猫をケージに閉じ込めた上、熱湯をかけたりガスバーナーであぶったりして計3匹を殺した罪

・2017年9月26日 追起訴
2016年3月~17年2月、埼玉県深谷市内で、金属製のゲージに猫10匹を入れてガスバーナーであぶったり熱湯をかけたりし、うち6匹を殺し、4匹にやけどを負わせた罪

・2017年11月28日 東京地裁429号法廷で初公判
即日結審   検察側 1年10ヶ月の求刑   弁護側 「執行猶予が相当」

・2017年12月12日
野良猫13匹を虐待したとして、動物愛護法違反の罪に問われた元税理士、大矢誠被告人に対して、東京地裁(細谷泰暢裁判官)は懲役1年10月、執行猶予4年(求刑:懲役1年10か月)の有罪判決を言い渡した。
執行猶予期間   開始  2017-12-27 00:00  満了 2021-12-26 24:00





実刑求めネット中心に署名22万筆超

事件後すぐにネット上に大矢誠に懲役刑を求める署名が開始された。
最終的なネット署名数は163,749筆。
これはchange.orgの国内歴代トップ。少し遅れて始まった紙署名の最終署名数は61,830筆。
併せて22万筆以上の署名が集まった。
これだけ多くの人が大矢誠の実刑を求めていたにもかかわらず、判決で大矢誠には執行猶予が付いた。
残虐極まりない行為に対しあまりにも軽すぎる判決と言わざるをえないが、これが現行法(動物虐待に対する罪=懲役2年以下、罰金200万円以下)の限界なのかもしれない。
日本では懲役3年以下の言い渡しを受けた者について、初犯の場合は実刑になることがないからだ。
次回の法改正で動物虐待の犯罪抑止力となるよう、動物殺傷に対する刑罰を懲役5年以下へ改正を強く望む。

<追記>
2020年6月1日改正動物愛護法が施行され、愛護動物の殺傷→5年以下の懲役または500万円以下の罰金、愛護動物の虐待・遺棄→1年以下の懲役または100万円以下の罰金へと強化された。
これまで器物損壊罪(3年以下の懲役又は30万円以下の罰金)より軽いと批判されがちだったが、わずかではあるがそれよりも重くなった。
また、今後3年以上の懲役を言い渡された場合は執行猶予が付かず実刑となる。


殺された猫たちを悼み犯行現場に供花

大矢誠の事件は日本中の多くの人に大きな衝撃と深い悲しみをもたらした。
事件報道後、深谷市櫛引の犯行現場には、何人もの人が慰霊に訪れ、殺された猫たちを悼み花や手紙を供えて涙した。
猫たちがどれだけ熱く、苦しかったか想像してほしい。
小さなからだに受けたあまりに惨い仕打ちを思うと、怒り・悲しみが消えることはない。
現地を訪れる人や全国の猫たちを悼む人の想いが届き、今は猫たちが安らかに眠っていることをこころから願う。

合掌


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