ソ連兵に内緒で飼った「クロ」 海を走って追いかけ船へ
2021年2月14日(日) 朝日新聞
戦後、シベリア抑留者たちと一緒に旧ソ連から舞鶴港へやってきた犬を知っていますか?
京都府舞鶴市の東舞鶴高校の生徒たちが、この実話をもとにした紙芝居の英語版を朗読して、録音しました。
国内外に広く知ってもらおうと、来月にもユーチューブで公開します。
(大久保直樹)
紙芝居「シベリアからやって来たクロ」の英語版を収録する東舞鶴高の生徒たち=2021年2月9日、京都府舞鶴市、大久保直樹撮影
第2次大戦後、旧満州(中国東北部)などにいた旧日本兵ら多くの日本人が旧ソ連各地に連行され、極東ハバロフスクの強制収容所にも抑留された。
犬は日本人抑留者たちが飼っていたメス。
犬種は不明で、黒い毛が特徴だ。
子犬だった時に収容所に住みつき、旧ソ連兵に内緒で飼われていたという。
深夜の火事を鳴いて知らせたこともあったという。
人々は、自分たちの食べ物を分けるなどして可愛がった。
ただ、抑留者らが帰国時に日本へ連れていくことは許されなかった。
1956年12月、シベリアからの最後の引き揚げ船「興安丸」が出港した。
残された犬は、凍った海上を走り、船を追いかけてきたという。
氷の割れ目で海に落ちたため、船員が縄ばしごを下ろして助け、そのまま舞鶴へ。
その後は地元の人に引き取られ、子も産んだという。
興安丸に乗船した記者が書いた当時の朝日新聞記事は、犬の名前を「クマ」として紹介した。
その後、「クロ」という犬の話として絵本や児童書になった。
東舞鶴高では2016年、美術部と放送メディア部の生徒たちが紙芝居を作り、ナレーションをまじえた映像作品「シベリアからやって来たクロ」を制作していた。
今回は、国際文理コースの2年生10人が、この紙芝居の英語版「Kuro from Siberia」を舞鶴引揚記念館に提案し、実現させた。
昨秋から授業で朗読を練習し、今月9日に市内のスタジオで収録した。
同記念館のユーチューブ公式チャンネルで公開予定だ。
木谷茉奈さん(17)は「伝わりやすいよう意識して朗読した。舞鶴の歴史を多くの人に知ってほしい」。
佐藤仁哉君(17)は「英語での感情の込め方が難しかった。争いや差別のない世界になってほしい」と話した。
【写真】
強制収容所で抑留者たちに抱かれる黒い犬(中央)=舞鶴引揚記念館提供
1956年12月に旧ソ連を出港した引き揚げ船「興安丸」の船員が、追いかけてきた犬を縄ばしごで氷上に下り、助け出される黒い犬
助けた犬を抱き上げる船員
シベリアから来たクロ - YouTube
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収容所の人たちとクロとの出会いは、厳しい環境の中においてお互いに心のよりどころになって、生きるために頑張ろう!、という励みになる実話、泣けました
引き揚げ船「興安丸」を氷海の中追いかけてくるクロ、今からおよそ65年前の実話です。
忠犬ハチ公などの実話は世界的に広がり知られていますが、このクロの実話はあまり知られていないのではないでしょうか。私も正直知りませんでした。
犬の感動的な実話は数多くありますが、このクロの実話もそれに匹敵し、東舞鶴高の生徒たちが「シベリアからやって来たクロ」の英語版を制作し世界に広めたいという願い、素晴らしいことです。
機会ある時に、弊会が今まで行ってきた敦賀市児童クラブの学童たちへの動物愛護教室で、みんなにこの実話をお話して「生き物の命の尊さ」ということを身に着けてもらいたいと思っています。
犬ってほんとに素晴らしいな ~ 我々人間のために尽くしてくれてありがとう!!!
(byぬくもり)