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吠える飼い犬を「お仕置き」と言って角材で殴打、「しつけ」と「虐待」の違い

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昨日、ブログに掲載しました「角材で飼い犬殴る男性に直撃」について、躾と虐待の違いについて明確に述べられている記事がありました。


吠える飼い犬を「お仕置き」と言って角材で殴打…
「しつけ」と「虐待」の違いを考える

2021年1月15日(金) 石井万寿美 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師

神奈川で11年間にわたり飼い主(70代)A氏から角材などで殴るなどの虐待を受けていた柴犬が、保護されました。
今日は、動物の「しつけ」と「虐待」の違いを知るために、その犬を保護した中日のコーチ・門倉健さん一家の素晴らしさとはなにかも踏まえて、一緒に考えてみましょう。
まずは、この柴犬は、どのような状態だったのかを見ていきましょう。


イメージ写真(写真:アフロ)

◆保護される前の柴犬の様子
悲しい叫び声をあげる柴犬。
飼い主の男性は、容赦なく長さ1mほどの角材で殴りつける。
二度、三度、四度……。
犬は身を縮こませ、悲鳴をあげながら殴打に耐える――。
神奈川県伊勢原市で、11年間にわたり70代の男性A氏が、「愛犬虐待」と疑われる行為を行っていた。
あまりの惨状に、近隣住民が様子を撮影。
動物愛護団体へ画像を持ち込んだ。
ペットへの虐待は動物愛護法違反で、明らかな犯罪だ。
被害報告を受けた一般社団法人「おーあみ避難所」代表・大網直子氏が語る。
「近隣住民の方は、私たちの団体がテレビで紹介されているのを見て連絡してくれました。その方は11年ほど前に、Aさんが飼いだしたばかりの子犬を壁に叩きつけているのを目撃したそうです。一度だけでなく、日常的に行われていたとか。毎日のように、犬の悲しい鳴き声が聞こえる……。
(略)
住民は、8年間にわたり撮影し続けた。
A氏の行為は、角材の殴打だけでなない。
リードについた首輪でムチ打ち、クワを持って威嚇。
犬は恐怖から舌をダラリと垂らし、口から泡を吹いて震え続けていたこともある。

中日コーチ門倉健が保護 飼い犬を角材で「11年間虐待疑惑」画像より

要約すると、この柴犬は、A氏の庭で飼われていました。
その犬は、外から様子が見える位置にいたので、A氏は柴犬がほえると近所に迷惑だと思い角材で殴っていたそうです。
さらにクワで脅かしたり、ムチで叩いたりなどの虐待行為が日常的に行われて、11年間続いたそうです。
近所の人が、その様子を動画に録画して警察に提出したので、A氏宅に捜査が入りました。
犬好きの人からみれば、なぜA氏が日常的にこのような虐待をしていたのか、よくわかりませんね。
それでは、A氏の言い分をもう少し見ていきましょう。

◆なぜ、A氏は柴犬を角材で叩いたのか?
柴犬の飼い主「虐待じゃなくて、犬がやっぱりほえるからね。隣近所に迷惑かけるから、懲らしめるためっていうかね...」
飼い主は、犬の鳴き声が近隣の迷惑になることへの“お仕置き”としてたたいたため、「虐待ではない」と主張した。
柴犬の飼い主「(ちょっとやり過ぎたと思う?)そりゃあ人から見ればね、そういう方もいるでしょうよ。やり過ぎたことは確かにやり過ぎたかもしれないけど、わたしはそうは思わない。わたしは古い人間だから、そういう鍛えられながらね、運動系で鍛えられながら、ここまで来たんでね。やっぱり鍛えるっていうか、悪いことしたら、そういう(お仕置き)...」

【独自】角材で飼い犬殴る男性に直撃 虐待に「わたしはそうは思わない」より

A氏は、70代で古い人間なので、ほえるなどの行為は、近所に迷惑になると思い、角材で殴っただけで、「なんら虐待ではない」と言っています。
自分の犬のしつけのため、お仕置きのつもりでやったのに、何が問題だと言いたいのでしょう。
人さまの犬を殴ったわけではなく、自分の飼い犬なのだから、とやかく言われたくないとA氏は思っているのでしょうね。
ほえるというちゃんとした理由があるのだから、納得がいかないのでしょう。
A氏を擁護するつもりはないですが、外で柴犬を飼って11歳まで生きているのでフィラリア症の予防などはしっかりされていたのでしょう(その薬を飲んでいないと、数年で亡くなっていますから)。
おそらく、餌も与えていたことでしょう。
A氏なりのかわいがりかただったのかもしれませんし、愛情表現がよくわからないのでしょう。
それでは、何が問題かを見ていきましょう。

◆自分の飼い犬を殴って何が問題なのか?

(写真:アフロ)

動物にも動物の権利があります。
動物愛護法で守れているのです。
愛護動物を虐待や捨てる(遺棄する)ことは犯罪です。
19年6月に動物愛護法が改正され、罰則は厳しくなりました。
具体的に説明すると、以下が違法行為です。
・愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりする
・愛護動物に対し、みだりに身体に外傷を生ずるおそれのある暴行を加える
・餌や水を与えずに酷使するなどにより衰弱させる
・愛護動物を遺棄する
動物虐待とは、動物を不必要に苦しめる行為のことをいいます。
正当な理由なく動物を殺したり傷つけたりする積極的な行為だけでなく、消極的な行為も虐待になります。
いわゆるネグレクトと呼ばれる行為も含まれます。
具体的には以下です。
・必要な世話をしない
・ケガや病気の治療をせずに放置する
・充分な餌や水を与えない
このような動物愛護法があることをA氏が知らなかったかもしれません。

◆動物虐待と幼児虐待は、似ている?
動物虐待と幼児虐待は、似ているところもあると、言われています。
幼児虐待のニュースを見ると、親は「しつけのために」子どもに食べさせない、子どもを一晩中ベランダに出したというような話をニュースで耳にします。
動物も「しつけ」と「虐待」は違います。
この判断は、飼い主の判断に委ねるところになります。
常習的に飼い犬に暴力をふるうと動物虐待になり動物愛護法に違反する疑いがあるのです。
飼い主は、動物にも動物の権利があることをよく知って、飼育してもらいたいです。

◆中日のコーチ・門倉健さん一家の凄さ

(写真:アフロ)

虐待を受けていたその柴犬は、中日のコーチも務める門倉健さんの一家に一時的に引き取られ、ポン太ちゃんと名付けたられて幸せに暮らしているそうで、本当によかったです。
洋犬ではなく、柴犬は日本犬なので、なかなか難しいのです。
・飼い主には懐くけれど、他の人には懐くのに時間がいる
・シャンプーが嫌い
・虐待されていた子は、心を開くのに、時間がかかる
上記の理由がありますが、門倉家では、預かったときは、ずっとシャンプーをされていなかったので、ニオイがしたそうですが、きれいにされていい子になっているそうです。
犬は話すことはできないですが、瞬時にこの家は、虐待がないとわかって、だんだんと心を開いていったのでしょう。
今後、あらたな里親を探すそうですが、ポン太ちゃんは、11歳で高齢なのでこれから病気もしやすい年齢ですが、おだやかなシニア期を過ごしてほしいです。

◆まとめ

(写真:アフロ)

動物虐待には、体を叩いたり蹴ったりする暴力は「身体的虐待」、他にも「心理的虐待」「性的虐待」「ネグレクト」があります。
「虐待」は飼い主が自分の感情にまかせて動物をコントロールしようとすることです。
犬と暮らしいるとイライラしてしまうのは特別なことではなく、よくありますよね。
自分なりに気持ちを切り替えて、動物は動物愛護法というものがなり、むやみに叩いたりする行為は、違法だと知ってほしいです。
たとえしつけのためでも。

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師


大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は栄養療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医師さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らす。
manma14956711
masumi0514
official site https://manekinekohospital.com/

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弊会も14年間活動を行っている中で、飼い主の質の悪さ・レベルの低さに腹立たしく感じることが多く、ペットを飼うということはどういうことなのか、伴う責任や適切な飼い方についての指導、認識させるとこが最重要事項ではないかと常々感じており意識しながら活動を行っておりますが、地域としての連携、行政機関が先頭に立って動物愛護団体や動物愛護関係の方々とタイアップしながら課題解決に取り組むことが必須ではないでしょうか。
(by ぬくもり)


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