ひもで口元縛る?裂傷の犬置き去り 福井市の動物病院に
2014年11月27日 福井新聞
置き去りにされた直後の雑種犬。
口の周りに線状の深い傷を負っていた(さくら通り動物病院提供)。
現在の姿。体重は標準近くになったが、口元には今も傷が残る
=25日、福井市花月3丁目のさくら通り動物病院
口の周りに線状の深い傷を負った雑種犬1匹が、福井市の動物病院に10月、置き去りにされていた。
細いひものようなもので口元を縛られていた可能性が高いとみられる。
犬を保護した院長は「縛っていたのならば、愛護精神に反する行為。かわいそうだと思わなかったのだろうか」と嘆いている。
犬は10月3日朝、同市花月3丁目の「さくら通り動物病院」前で見つかった。
ピンク色の首輪をしており、リードで入り口近くにつながれていた。
北岡大輔院長(40)によると、傷は幅約1センチで両あごを一周する形で皮膚が削られたような状態だった。犬は2~4歳の雌で、発見時はかなりやせ細っていたという。
発見から2カ月近くがたち、体力的には回復しているが、上唇と下唇の一部が欠損しており口を閉じても歯が見え、傷痕は痛々しい。
病院の監視カメラには同日午前1時ごろに、車で訪れ入り口近くに犬をつなぐ人物が映っていた。病院は同5日に福井署に届け出て、同署が映像確認などを行っている。
昨年9月に施行された改正動物愛護管理法は、虐待に対する罰則を強化した。
また、石川県では男性会社員が飼い犬の前脚2本と口をそれぞれ結束バンドで縛って擦り傷を負わせたとして、同県警が今月、同法違反の疑いで会社員を書類送検している。
北岡院長は「(置き去りにした)結果を見ると、縛っていた口の周りがひどい状態になっていることに気付き、それで捨ててしまったように映る。動物の命を軽んじないでほしい」と話す。
病院は傷ついた犬の新しい飼い主を探している。