【獣医師監修】
猫を飼う前に知っておきたい! 猫アレルギーの判定方法、症状、治療法について
監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長
2020年11月12日(木)
念願の猫との生活を始めたのに、咳もくしゃみも止まらない!
そんな悲劇が起こる前に確認しておきたい、自分や家族の猫アレルギー。
◆猫アレルギーの判定方法
現代病とも言われている、アレルギー疾患。アレルギーの原因(アレルゲン)は食品、花粉、ホコリやダニといった様々なものですが、その一つのアレルゲンが猫によるものです。
アレルギーの程度は個人によって違いますが、猫アレルギーを抱えて、猫と同じ空間に10数年もの長い間暮らすことは非常に困難です。
飼ってしまった後、手放さざるを得ないなんてことが起きないよう、まずは自分や家族の猫アレルギーをチェックしましょう。
アレルギー検査は、アレルギー科や内科、皮膚科などの医療機関で受けることができます。
血液検査やパッチテストが行われ、費用は症状があれば保険適用となり、それ以外は保険適用外となります。
また、病院で検査をして数値には問題がなかったのに、猫に触れるとアレルギー症状が出るということもあります。
その場合は、医師に相談して適切なケアを行いましょう。
できれば猫カフェなどを利用して、複数回猫と触れ合う時間を持つと安心でしょう。
◆猫アレルギーってどんな症状?
猫アレルギーの症状は、その他のアレルギー症状と似ていて、目の充血、かゆみ、涙、鼻水、咳、くしゃみ、息苦しさ、皮膚のかゆみや腫れなどです。
喘息を慢性化させたり、呼吸困難を引き起こす重度なものもあります。
同じ空間に猫がいて、突然このような症状が出たら、アレルギーを疑ってみてください。
またそのような症状が出た時は、目や顔を触らず、よく手を洗ってから医療機関に相談しましょう。
◆猫アレルギーの治療法は? 治るの?
猫アレルギーが発覚した場合、どうしたらいいのでしょうか? アレルギー治療としては、
◯原因となるアレルゲンを避ける
◯薬物による対症療法
◯アレルゲン物質を少しずつ摂取する減感作療法
があります。
薬物療法は今出ている症状を和らげるので、症状は軽くなりますが、根本的にアレルギー体質を改善できるわけではありません。
また、減感作療法は数年単位で少しずつ行わなければならず、効果にも大きな個人差があります。
そうなると、アレルゲンを避けるのが一番の対処法になるでしょう。
それでは、猫アレルギーを持っていたら、猫を飼わないという選択肢しか選べないのでしょうか。
◆アレルギーを予防して、猫との楽しい暮らしを!
アレルギーの程度にもよりますが、軽度のアレルギーならば、医療機関にきちんと相談した上で、猫と過ごすことも夢ではありません。
猫アレルギーのアレルゲンは数種類ありますが、中でも問題になるのが猫の脂腺、肛門腺、唾液腺から分泌されるアレルゲンです。
これらが猫の毛やフケに付着し、部屋中に飛び散ることでアレルギーを引き起こします。
よって、頻繁に掃除を行うことでアレルゲンを吸い込まずに済みます。
猫は高いところや狭い隙間など、広範囲を移動します。
床だけでなく、カーテンや棚の上、壁など、あらゆるところを丁寧に掃除しましょう。
猫自身を清潔にするのも有効な手段です。
月に1~2度シャンプーをして、こまめにブラッシングすると毛が飛び散ることを防げます。
また家に置いてあるラグやカーテン、ソファーカバーなども洗濯しやすいものを選ぶといいでしょう。
アレルギーは突然起こることもあります。
ストレスを溜めずに、健康的な生活を送ることも重要です。
猫がいる毎日。
自分と家族そして猫のため、アレルギーをきちんと把握して、幸せで特別な日々を送りましょう。
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