思いがけない危険!犬と暮らす人にとってマスクの処理は要注意
2020年10月5日(月) わんちゃんホンポ
◆保護された犬の胃に写っていたものは
2020年7月、アメリカのボストンの空き家で放置された数匹の犬が保護されました。
それだけなら特別なニュースになることではないのですが、そのうちの一匹のシュナウザーミックスの状態が、多くのペットオーナーが知っておくべきだと考えられてローカルニュースで報道されました。
ギブズと名付けられたその犬は、保護後の診察で緊急手術が必要な状態であることが発見されました。
腹部のレントゲン写真に写っていたのは、使い捨てマスクのノーズワイヤーが原因となった深刻な閉塞状態でした。
幸いなことに胃の中のワイヤーは手術によって取り除かれ、ギブズは一命を取り留めました。
ギブズは保護団体のシェルターで暮らしており、完全に回復するのを待って新しい家族を募集するとのことです。
◆使用後のマスクは犬にとっては魅力的
このギブズの一件で取材を受けた獣医師は、使用後のマスクは犬にとって魅力的であるため誤飲事故を引き起こす可能性があることを指摘しています。
マスクは長時間に渡って口を覆っているものですから、食べ物の匂いが移っています。
人間は匂いに気づかなくても犬の嗅覚の鋭さはご存じの通りです。
また、大好きな飼い主さんの匂いが付いていることもあり、使用後のマスクの匂いが好きな犬は少なくありません。
それが高じて食べたり飲み込んだりしてしまうと、ノーズワイヤーが内臓を傷つけたり、マスクそのものが食道や腸で詰まってしまったりするという危険な誤飲事故になります。
使用後の使い捨てマスクは感染防止の意味からも密閉して、動物が触れない場所に捨てることが重要です。
布マスクを「すぐ後でまた使うから」と外したときも、首から下げられるストラップを利用するなど、注意して扱いましょう。
◆犬とマスク、別の視点からの注意
犬とマスクと言えば、先日日本でも飼い犬にコロナ陽性判定が出たという報道のせいか「犬にもマスクが必要?」という疑問を持つ人がいるようです。
犬用の手作りマスクの型紙がネットにアップされていたり、犬用マスクの通販も行われたりしていますが、これに対して多くの獣医師が「危険ですから、絶対に犬にマスクをさせないでください」と注意しています。
犬にマスクをすると、体温調節に必要なハアハアというパンティングを妨げて、熱中症につながります。
この暑さでは犬の命に関わる危険となります。
どんな形であれ、犬の口や鼻を覆うことは絶対に止めてください。
陽性判定が出たからと言って、それは犬が感染が成立していたということにはなりません。
世界中で犬同士の感染、犬から人間への感染への報告も証拠もありません。
新型コロナウイルスに関しては、愛犬を守るために最も重要なことは飼い主さん自身が感染から身を守ることだと、世界各国の獣医師会などが報告しています。
◆まとめ
アメリカで起きた犬のマスク誤飲事故、そこから学ぶ私たちが気をつけたいことについてご紹介しました。
以前にも増してマスクがあまりにも日常的なものとなったため、その扱いに気の緩みが出てしまったり、それが原因で思わぬ事故が起きたりする可能性が高くなっています。
皆さま、くれぐれもお気をつけください。
今年は犬と散歩している時に道端に捨てられているマスクをいくつも目にします。
犬はマスクを見つけると立ち止まって鼻を近づけ臭いを嗅ごうとします。
こういうマスクを捨てるような人間はペットも安易に捨てたりすると考えられます、
マナーのない無責任人間に腹立たしくなります。
低次元の人間の質を上げるにはどうしたらいいのか思案するばかりです。
(byぬくもり)