千葉市の公園で猫の虐待相次ぐ エアガンで狙撃か
2020年3月1日(日) 産経新聞
千葉市内の公園でボランティア団体が去勢手術などを行ったうえで餌やりなどの世話を行っている「地域猫」を狙う虐待事件が相次いでいる。
昨年1月から今年1月までの1年間に3カ所の公園で少なくとも計30匹のネコが不審なけがをしたり、突然行方不明になったり、死んでいることが判明した。
一部のネコの体内からは撃ち込まれた鉛弾のようなものが見つかり、ボランティア団体のメンバーは悪質な動物愛護法違反事件として、公園管理事務所や警察に相談している。
ボランティア団体のメンバーによると、ネコを狙撃する虐待事件は平成31年1~2月にかけて発生。
稲毛海浜公園(千葉市美浜区)で3匹、同2月に青葉の森公園(同市中央区)で1匹が被害に遭った。
このうち、稲毛海浜公園で見つかった推定10歳の雌のネコは動物病院で治療を受けたがその後死亡。
背中と腹部から長さ10ミリ、太さ5ミリの鉛弾のようなものが摘出された。
他のネコも同様の鉛弾のようなものが見つかったという。
また、同10月以降は、千葉ポートパーク(同市中央区)でネコの足や顔などに小さな穴のような傷と出血がみられるケースが急増した。
12月以降になると、ネコの体内から鉛弾のようなものが複数見つかるケースが目立つようになり、8匹のネコが被害にあった。
手口が似ていることから同一人物による犯行の可能性もあると考え、各公園で活動する市内のボランティア団体は、今年1月下旬に一堂に会しメンバー同士が情報交換を実施。
参加した市ライフル射撃協会会員は「状況からみて狩猟用の空気銃で、置き餌をして50メートルや100メートル離れた長距離から撃っているのではないか」と指摘した。
また「射撃場など指定された場所以外で空気銃を所持したり使用すれば、銃刀法違反罪が成立する可能性もある。大変危険な行為だ」と批判する。
各ボランティア団体は、ネコの被害状況を記録し、各公園の管理事務所や警察に相談し、パトロールの回数を増やすことなどを強く要請している。
千葉ポートパークで活動する「千葉港湾地域猫の会」の斉藤直子さん(51)は「危険なものを使って、多くの人が遊ぶ身近な公園でネコの虐待が多発しているのはショックだ。利用者も不審な人を見かけたら、警察などに通報してほしい」と訴えている。