日露共同制作映画「ハチとパルマの物語」
1976年、旧ソ連時代にあった「忠犬パルマ」の実際のストーリーに基づく物語。
空港で飼い主を待ち続けるパルマ、そして秋田犬との出会い…。
日露の「忠犬」が、コーリャ少年の孤独な心を救う。
映画「ハチとパルマの物語」2021年 日本公開!2020年ロシア先行公開
© パルマと秋田犬製作委員会
国際共同製作 劇場用映画「ハチとパルマの物語」
【物語】
話は現代の秋田県大館市、秋田犬の里オープニングセレモニーから始まる。
ロシアの空港で働くコーリャ。
テレビで流れる秋田犬の話題に目が留まる。
ふと我に返ると、自分の小さな頃の犬との忘れられない思い出があふれてくる。
旧ソ連の空港でのできごと。
飼い主とともにプラハに行く予定だったパルマは、搭乗のための書類不備で乗機を拒否される。
飼い主は仕方なく、こっそりパルマを滑走路に放つ。
パルマは空港に住み着き、毎日滑走路で飛行機を見上げ、2年間も飼い主の帰りを待ち続けた。
その姿はやがて空港のシンボルとなり、人々の心を打つ。
時を同じくして、9歳のコーリャ少年が空港に現れる。
彼は母親を亡くし、パイロットである父親に預けられるのだが、母を失った悲しみと、良い思い出のない父親との生活ですっかり心を閉ざしてしまう。
コーリャとパルマ、孤独なもの同士の友情はすぐに生まれた。
ある日、空港に日本人に連れられた秋田犬が現れる。
飛行機への搭乗を待つ秋田犬に、パルマは仲間を見つけたかのように走り寄るが、その傍らには優しい主人がいる。
二人を見送るパルマの目に、この上ない寂しさが宿ることに、コーリャは気付く。
コーリャはパルマに自分の姿を投影。
「飼い主のもとへ戻してあげたい」と、たくさんの人の協力を得て行動を起こす。
少しずつ心を開き始め、父親もコーリャに向かい合おうと努力する。
そしていよいよパルマと飼い主の再会の日、パルマは嬉しそうだが、なぜかコーリャのもとを離れようとしない…。
【企画意図】
2019年春、劇場公開された映画『ソローキンの見た桜』に次ぐ、日露合作第二弾として製作決定した『ハチとパルマの物語』。
この作品は、1976年旧ソ連で実際に起きた「忠犬パルマ」の実話をもとに、犬と人、親と子の愛を描いた心温まるヒューマンドラマです。
縦軸に犬と人間の関わり、横軸に親と子の葛藤を描いています。
劇中には2019年5月8日にオープンした大館市観光交流施設「秋田犬の里」や秋田犬会館、秋田犬保存会の活動なども盛り込まれています。
撮影の舞台はロシア・モスクワと秋田県大館市。
この作品は秋田犬の人気が高いロシア及び東欧で広く公開予定。
日露共同製作映画「ハチとパルマの物語」 秋田・大館市で撮影始まる
2019年11月18日(月) 秋田テレビ
ロシア版ハチ公の映画「ハチとパルマの物語」の撮影が18日、秋田県大館市で行われた。
日本とロシアが共同で製作する映画「ハチとパルマの物語」は、ロシアの空港で飼い主を待ち続けた忠犬・パルマと少年の交流を描いた物語で、1970年代の旧ソビエトでの実話が元になっている。
東京・渋谷駅で飼い主を待ち続けた秋田犬の忠犬「ハチ公」と重なることから秋田犬のふるさとである秋田県内でも撮影が行われることになった。
18日はハチの生まれ故郷の大館市で撮影が行われた。
市の観光施設のオープニングセレモニーの様子を撮影。
横手市出身の女優・壇蜜さん、福原淳嗣大館市長、市民のエキストラ約100人などが演技に臨んだ。
エキストラとして撮影に参加した市民は「秋田犬のPRができればと思う」「地元大館の撮影に協力できたことがうれしい」と期待を込めた。
観光施設の施設長役を演じた壇蜜さんは「遠い国で自分が映るのでドキドキする。日本人として秋田と秋田犬の歴史を伝える鍵になれたら良いと思う」と意気込みを語った。
大館市での撮影は2020年1月中旬まで続き、映画は2021年の夏に日本でも公開される予定。
「ハチとパルマの物語」ロケ 壇蜜さんらが参加 秋田・大館
2019年11月19日(火) 毎日新聞
秋田犬の里オープニングセレモニーでのあいさつを演じる館長役の壇蜜さん(右手前)=秋田県大館市で2019年11月18日、田村彦志撮影
旧ソ連の空港で飼い主を待ち続けた犬の実話を基にした日露共同製作映画「ハチとパルマの物語」のロケが18日、秋田県大館市の市観光交流館・秋田犬の里であった。
冒頭のシーンとなる同館のオープニングセレモニーの撮影で、同県横手市出身の俳優、壇蜜さんや観光客役のエキストラら約100人が参加した。
映画は1977年、空港で飼い主を待ち続けるパルマと、母の死を機に心を閉ざしてしまった少年コーリャとの出合いやエピソードを描く。日本での公開は2021年初夏の予定。
この日撮影されたのは現代の設定で、空港で働くコーリャが「忠犬ハチ公」の故郷に秋田犬の里が開館したとテレビで知り、パルマを思い起こす場面に使われる。
アレクサンドル・ドモガロフ・ジュニア監督らが指示を出し、壇蜜さんが演じる館長らが記念のテープカットを再現した。
秋田犬「マサル」を飼っている平昌冬季五輪フィギュアスケート女子金メダリスト、アリーナ・ザギトワ選手も、開館を祝うビデオメッセージという形で出演する。
エキストラに家族と一緒に参加した地元の小学生の女児は「映画を通じて、ハチ公のふるさと・大館がもっと有名になってほしい」と期待。
ドモガロフ監督は「日本側のスタッフと共に映画を製作できるのは大きな幸せ。みなさんに感動していただける映画にしたい」と話した。
来年1月には、大館市の秋田犬会館でも撮影が行われる予定。
【田村彦志】