「病気で手に負えない」と砂浜に生き埋めにされた犬
救助され徐々に回復へ(ハワイ)
2019年7月16日(火) Techinsight
もう必要ないから」「病気で手に負えないから」―そんな飼い主の身勝手な理由で置き去りにされるペットのニュースはあとを絶たない。
このほどハワイのビーチに捨てられた1頭の犬は、日常的に虐待を受けていただけでなく太陽が照り付ける砂浜に生き埋めにされ、瀕死の状態で発見された。
地元メディア『KITV Channel 4』などが伝えた。
ハワイの砂浜に埋められていた犬(画像は『PAWS of Hawaii 2019年7月9日付Facebook「Leialoha needs you....」』のスクリーンショット)
ハワイ・オアフ島のウエスト・オアフ・ビーチで今月9日、1頭の犬が飼い主と思われる男性に生きたまま砂浜に埋められているのを近くの住民が目撃し、動物保護団体「パウズ・オブ・ハワイ(PAWS of Hawaii)」に連絡した。
駆けつけた同団体のスタッフが目にしたのは、身体が腫れあがり、酷い日焼けで皮膚が傷つき、身体の90%の毛を失って苦しむメス犬で、明らかに脱水症状を起こしていた。
スタッフは瀕死の犬を“レイアロハ(Leialoha)”と名付けて保護し、団体のFacebookに発見当時の写真を投稿した。
パウズ・オブ・ハワイの局長であるデュランドさんは、地元メディアのインタビューで「レイアロハはすぐにアロハ・アフォーダブル・ベテリナリー・サービスのドクター・ケリーのもとに運ばれ、必要なケアを受けることができました。この飼い主は病に苦しむレイアロハが手に負えなくなったのでしょう。誰かに助けを求めるのではなく、レイアロハの苦しみをこのような残酷な形で終わらせようとしたのです。埋められていたレイアロハのそばには、マチェーテ(なた)があったそうです。飼い主は次に何をしようとしていたのか…。考えたくもありません」と語り、怒りを露わにした。
レイアロハを診察したドクター・ケリーは「身体のあちこちに傷があり、傷口が開いて出血しています。また皮膚は感染症を起こしているため悪臭を放っています。飼い主が虐待していたのでしょう。特に左足にある傷はまだ新しく、ビーチに埋められた時に切りつけられたものと思われます」と述べ、レイアロハをそっと抱きしめた。
デュランドさんは「これだけ身体や心にも傷を負いながら、レイアロハは痛みにじっと耐え、頑張っています。今までずっと自分を出し切れず、殻に籠って過ごしてきたのでしょう。それでも日一日と回復し、私たちに甘えてくるようになりました。たくさんの愛情をもってケアをすれば、動物たちも応えてくれるのです」と明かし、このように続けた。
「Facebookの写真を見て『これは酷い』と感じた人はたくさんいるはずです。でもその怒りの矛先を飼い主に向けるのではなく、行動に移してください。レイアロハのように傷ついた動物たちに救いの手を差し伸べてください。」
デュランドさんの呼びかけには「飼い主が見つかるまでレイアロハを里親として引き取りたい」とすぐに申し出があり、現在レイアロハは少しずつだが元気を取り戻している。
今後は2日ごとに獣医による診察を受ける予定で、完治するまでには6か月ほどかかるという。
このニュースを見た人からは、「飼い主は罰を受けるべき。同じように苦しめばいい」「人間はなんて自分勝手なんだ」「飼い主はきっと頭がおかしいに違いない」「はやく元気になってね」といったコメントがあがっている。レイアロハが一日も早く痛みから解放され、新しい飼い主が見つかることを願うばかりだ。
なお、レイアロハのように飼い主に置き去りにされたペットのニュースはあとを絶たない。
2018年には米カリフォルニア州に住む心無い一家が、飼っていたラブラドール犬を置き去りにして引っ越していった。
何か月もの間放置されていたその犬は救助されたものの、病が原因でなかなか引き取り手が見つからなかったという。
また先月にはミシシッピ州で不法投棄されたソファーと一緒に子犬が発見されている。
子犬は保護されたものの、ソファーに座って飼い主が戻るのをじっと待っていたとのことだ。
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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