【Next調査班】犬50匹が飼育放棄 飼い主は行方不明・宮崎
2019年4月26日(金) MRT宮崎放送
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190426-00010000-mrt-l45
都城市の住宅で約50匹もの犬が置き去りにされているのが見つかりました。
こうした中、県内の動物愛護団体が犬の保護に乗り出しました。
飼育放棄の実態を徹底取材です。
住宅から無数の鳴き声が聞こえてきた
都城市高城町にある1件の住宅。聞こえてくるのは…無数の鳴き声。
この家で、かなりの数の犬が放置されているという相談を受け、4月11日、県内で動物の愛護活動をしているNPO法人のスタッフが現場に駆けつけた。
(NPO法人 咲桃虎(さくもんと)山下 香織 理事長)「保健所だけではこの案件が解決できないということで、どうにかできないかという相談をされて私たちが入ることになった」
すさまじい状況の家の中
調査班は大家の許可を得て、愛護団体とともに現場を直撃した。
(税田記者)「すごい匂いが!匂いがすごい!ものすごい鳴き声が聞こえます一体何匹いるのでしょうか!家の中はすさまじい状況です」スタッフの回りに群がる犬!その数、およそ50匹!家の中は悲惨な光景が広がっていた…
部屋の中に漂う強烈な悪臭…。
(税田記者)「犬の数もなんですが尿や糞の匂いが漂っています。そしてアンモニアのせいでしょうか目を開けておくのも難しいです」
ふんや尿で覆われた床にぼろぼろになったベッドや壁…家の中は荒れ放題だ。
(NPO法人咲桃虎 山下 香織理事長)「これ‥生活できないですよね。結局犬は人よりすごい嗅覚がいいから犬たちもつらい思いをして生活している状態」
家に住んでいた50代の夫婦は連絡がとれない状況
この家に住んでいた50代の夫婦は3月下旬から連絡がとれなくなったという。
4月上旬、近くに住む親族が家を訪ねたことから、飼育放棄の実態が発覚した。
(飼い主の親族)「こういう状況になる途中で相談してくれれば…」
一体室内はいつからこんな状態だったのか・・・スタッフは、群がる犬の中から弱った犬を優先的に保護していく。
(NPO法人 咲桃虎 山下 香織 理事長)「いじめられているような子は優先して捕まえようとしたが、こういう子たちは強いので生きていけるが」
家に貼られた県食品衛生協会の営業許可済証
家の状況とは裏腹に平成28年までの県食品衛生協会の魚介類販売業食肉販売業の営業許可済証が貼られていた。
(NPO法人 咲桃虎 山下 香織 理事長)信じられないですよね。
(税田記者)衛生管理はそもそも(家の中が)できてない。
(NPO法人 咲桃虎 山下 香織 理事長)やばいですよね。
さらに、車の中には衣類などが積み込まれ玄関脇には冷蔵庫やタンスなどが置かれるなど屋外で生活していたことがうかがえる。
(NPO法人 咲桃虎 山下 香織理事長)「自分たちだけちょっと良い空気吸ってね、中はあんな状態なのに」
「責任を自分たちが放棄して自分たちだけ逃げるというのもすごく腹が立つ」
この日、保護した犬は愛護団体の施設に運び込まれスタッフが一匹一匹、手入れを施した。
かなり衰弱した犬もいる。
その後、市内の動物病院で血液や内臓の検査を受けると栄養失調や病気、それに妊娠している犬が複数いるのがわかった。
(獣医)「妊娠してて…。パクパクしているの見えますか?ここが心臓でまだそんな形はできてきていないが」
愛護団体は、今回の問題を『虐待にあたる』と訴える。
(NPO法人 咲桃虎 山下 香織 理事長)「今回逃げたあとにすぐ気づいてくれる人がいたから、この子達は生きて死んでいることはなかった。責任を自分たちが放棄して自分たちだけ逃げるというのもすごく腹が立つ」
警察も捜査に乗り出す
こうした事態に警察も捜査に乗り出している。
(都城警察署 宇都宮淳一郎 副署長)「狂犬病予防法の中の登録義務違反や予防注射の義務違反これは可能性が高いのでこれを主に捜査している」
劣悪な環境で放置されたペットたち。
なぜ、ここまでの状況に陥ってしまったのか…飼い主の無責任な行動は決してあってはならない。
※今回、保護した犬はNPO法人 咲桃虎 でワクチン接種や動物病院で検査を行い、譲渡先を探しています。