Quantcast
Channel: 動物たちにぬくもりを!
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3575

蹴り上げ虐待を受けた犬、現在の状況など

$
0
0

「蹴り上げ虐待」を受けた犬、動画告発で保護 現在の様子

2019年2月21日(木) NEWSポストセブン

「“とにかく早く返してほしい”と毎日のように電話やメールがあります。ですが、今あの飼い主に返したら、今度はこの子が殺されると思います」
そう語るのは動物保護団体「紫友会」代表の川村紫さんだ。
彼女は今、衝撃的な“ラブラドール蹴り上げ動画”で被害が明らかになった老犬を保護している。


暴行を受けたレイ(16才)。今後は病気の治療に専念する予定だ

 きっかけは2月8日、ツイッターに投稿された1本の動画だった。
飼い主の50~60代の女性の後をよろよろと歩く白いラブラドール・レトリバー。
すると突然、飼い主は右足で犬の腹部を思い切り蹴り上げた。
犬は衝撃で倒れ込んだが、しばらくすると起き上がり、飼い主を見上げると、再びそばへとついていく。
しかし、数歩歩くと、再び飼い主の容赦ない蹴りが腹部を襲う──。
動画の投稿者が振り返る。
「午後5時頃、飼い主の女性が“おしっこしやがって!”と叫びながら自宅のガレージで絨毯を洗っていました。その時、そばにいた犬を蹴るのを目撃して、動画を撮影し始めたんです。実はこの女性は犬の虐待だけでなく近隣で迷惑行為を繰り返していて、数十回は警察が来ています。でも、警察は注意のみで何も対処してくれなかった。ツイッターなら動画を見た人がたくさん通報して警察が動いてくれるかもしれないし、こうした問題に詳しい人がどうしたらいいか教えてくれるかもしれないと思って投稿しました」
紫友会の川村さんは、フェイスブックでこの動画を見て「一刻も早く助け出さなければ」と、映っている背景などから場所を特定。
翌日に車で広島を出て、5時間かけて現場となった京都市伏見区の住宅地に到着した。
「まず自分の目で確かめなければと思い、近隣のかたのお話を聞いて散歩ルートを確認しました。夕方、飼い主が散歩に出てきたので様子をうかがっていると、突然リードを引っ張って犬を引きずり始めた。さらに立ち上がらないことに怒って蹴りだしたので、すぐに警察に“虐待している現場を見ました”と通報しました」(前出・川村さん)
警官が駆けつけると女性は騒ぎ始め、「犬を奪うなら死んでやる」「お前を刺し殺してやる」「家を調べて火をつけてやる」などと叫び、包丁を振り回したという。
女性は警官に取り押さえられた。
女性は「(犬が)家中におしっこする。そのしつけだった」と虐待を完全否定している。
保護されたラブラドールの名前はレイ。
16才で、人間でいえば90才過ぎの老犬だ。
そんな年老いた身に“しつけ”も何もあるはずがない。
「レイは飼い主との散歩中もずっと震えていましたが、私がリードを持って“おいで”と言ったら、足を傷めていたのに自分からぴょんと車に乗りました。それから警察の立ち会いのもと、帰宅した飼い主の夫の了承を受けて、私が保護することになったんです。すぐに夜間救急のある動物病院に連れて行きました」(前出・川村さん)
しかもレイは重度の膀胱炎、尿路感染、股関節炎症、脾臓の腫瘍など多くの病気を併発していた。
「高齢なので病気になることはあるにせよ、普通は尿路感染まで起こしません。獣医さんによれば、お漏らしをすると蹴られるのでずっとおしっこをがまんしていたのが大きな原因だと考えられるそうです」(前出・川村さん)
年齢を考慮して手術はせず、現在は痛みを取り除く治療とメンタルケアを行っている。
「最初はレイの横に立つと、それだけで蹴られると思うのかお腹に力を入れていました。今はだいぶ落ちついてきて、紫友会で保護している他のワンちゃんたちとも仲よくしてます。散歩もご飯も大好きで、“なでて、なでて”というように寄ってくることも。本当に穏やかでいい子です」(前出・川村さん)
※女性セブン2019年3月7日号


燃える布団を道路に投げた・・・犬蹴り上げ飼い主の迷惑行為 

2019年2月22日(金) NEWSポストセブン

2月8日、ツイッターに1本の動画が投稿された。
飼い主の50~60代の女性の後をよろよろと歩く白いラブラドール・レトリバー。
すると突然、飼い主は右足で犬の腹部を思い切り蹴り上げた。
犬は衝撃で倒れ込んだが、しばらくすると起き上がり、飼い主を見上げると、再びそばへとついていく。
しかし、数歩歩くと、再び飼い主の容赦ない蹴りが腹部を襲う。

この虐待の様子に気づいた女性が動画を撮影し、投稿。
さらに、この動画をFacebookで見つけた動物保護団体「紫友会」代表の川村紫さんが、虐待があった場所を特定、実際に飼い主が虐待している現場を目撃したうえで、警察に通報した。
警官が駆けつけると飼い主の女性は騒ぎ始め、「犬を奪うなら死んでやる」「お前を刺し殺してやる」「家を調べて火をつけてやる」などと叫び、包丁を振り回したという。
女性は警官に取り押さえられた。
現在、虐待を受けていたラブラドール・レトリバーは、紫友会に保護されている。
ちなみに、その名前は「レイ」という。

◆火のついた布団を道路に投げた
京都駅から南に車で20分ほど行くと、工業地帯の間にぽつりぽつりと住宅が建つ。
虐待の現場となったのは30年ほど前にできた住宅地で、飼い主の女性は4年ほど前に夫婦で引っ越してきたという。
飼い主の女性は犬への虐待だけでなく、近隣への迷惑行為も繰り返し起こしていた。
「夜中でもしょっちゅう奇声を上げて、道路に向かって陶器やら卵を投げるんです。危ないし、子供も通学の時にあの家の前を通れんようなった。3年前ぐらい前には、奥さんが2階の窓から火をつけた布団を道路に投げはって。旦那さんが表に飛び出してきて、必死になって火を消してはった。消防車やパトカーが来て騒然とした雰囲気やったな」(近隣住民)
女性がレイを散歩するようになったのは最近で、それまでは夫が朝と夕方、散歩に連れて行っていたという。
「奥さんが散歩するようになったんは、旦那さんが体調を崩したからやって聞きましたよ。一度、夫婦げんかをしたんか“私の人生返して!”って叫び声がして、その後救急車が来て大騒ぎになったこともあります。あそこは家庭の問題もあるんかもしれんなぁ」(別の近隣住民)
ペットなどに対する動物虐待の検挙件数は5年連続で過去最悪を更新していて、昨年の摘発件数は68件。
ペット法学会理事の杉村亜紀子弁護士が語る。
「言葉を持たない動物たちの被害は、もっと多いと考えられます。虐待を目撃したら、警察に通報してください。また、自治体の保健所や動物愛護センターに相談して行政に働きかけることも1つの手段です。その際に、今回の動画のような証拠があると、通報を受けた側も動きやすくなります」
レイは川村さんの警察への通報によって救助された。
しかし、今後、飼い主の元に返される可能性があるという。
「法律上、飼い主はペットの『所有者』です。虐待があるからといって、所有権がなくなるわけではありません。 動物愛護管理法ではペットをみだりに傷つけた者は2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する、とあります。虐待の充分な証拠があれば、処罰することや保健所が飼い主を指導することができますが、強制的に所有権を奪うことはできません。今回のように、飼い主を説得し、了解を得て、動物保護団体などが保護しているのが現状です。この飼い主は虐待ではなく“しつけ”と主張しているようですが、その線引きは法律でも曖昧なんです。虐待の判断を警察や検察に委ねるケースも出てきます。飼い主と争うにはさまざまな準備が必要でしょう」(前出・杉村さん)
飼い主の女性も所有権を主張し、今なお「返せ」を繰り返している。
「感情をぶつける対象だったレイがいなくなったことで、飼い主だったかたも不安を感じているようです。でも、今返したらまた同じことの繰り返しになってしまう。レイはもう16才で、この先そんなに長く生きられるわけじゃありません。一日でも長生きしてほしいし、せめて“人間ってそんなに悪いものじゃないな”と思ってほしい。引き取り先を探すのではなく、ここで最期まで看取るつもりです。証拠はたくさんあるので、最後まで争います」(前出・川村さん)
人間にあてはめたら90才、レイが穏やかな晩年を送ることを心から祈りたい。
※女性セブン2019年3月7日号

 

 

飼い犬を蹴る動画が炎上、飼い主は「しつけ」と反論…「動物虐待」にあたらないの?

2019年2月22日(金) 弁護士ドットコム

散歩中の飼い犬を女性が蹴りあげる――。
そんな衝撃的なところが撮影された映像が、ツイッターに投稿されて、ネット炎上に発展した。この女性は、テレビ局の取材に対して「しつけだった」と話しているという。
映像は、2月8日に投稿された。
白い犬に首輪をつけて、散歩している女性が映っている。
女性は突然、犬の横腹あたりを蹴り上げる。
犬はその場に倒れ込んで、飼い主を見上げる。
そのあと歩きはじめるが、女性は再び犬を蹴りあげる。
現場は、京都市の住宅街で、映像がツイッターに流れて炎上。
警察が出動する事態になったという。
犬はすでに動物保護団体に保護されているそうだ。
女性はFNNなどの取材に対して「しつけだった」と反論したという。
はたして、動物虐待にあたらないのだろうか。鈴木智洋弁護士に聞いた。

●動物虐待にあたる可能性

――動物虐待にあたらないのでしょうか?
動物愛護法では、「愛護動物」をみだりに殺したり、傷つけることが禁止されています。
これに違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。
犬も「愛護動物」に含まれています。
この法律の「みだりに」という言葉は、「特段、理由や必要性もなく」といった程度の意味だと考えてもらえれば大丈夫です。
今回のケースは、SNSにアップされた動画を見るかぎり、特段、理由も必要性もないのに散歩中の犬を突然複数回にわたって相当の力で蹴っているように見えます。
みだりに傷つけたとして、動物愛護法違反と考えてよいのではないでしょうか。 

――飼い主が処罰される可能性はあるのでしょうか?
今回のケースは、SNSにアップされた動画を見るかぎり、特段、理由も必要性もないのに相当強い力で複数回にわたって蹴っているように見えますので、その行為の態様は悪いものだとは思います。
しかし、過去に実際起訴されて有罪判決が下されたというケースは、対象となった動物が多数にのぼっていたり、死亡しているようなケースが多く、仮に死亡してなくても相当に重い傷害を負ったようなケースであることが多いです。
今回のケースは、犬がどのようなケガを負ったのか、といった結果についてはわかりませんが、対象の犬が1匹であること、死亡していないこと、蹴った人の飼い犬であること、といった事情からすると、過去の事例との均衡も考慮し、起訴されて有罪判決が下される、というところまですすむ可能性は低いように思います。

●「物」はものでも「命あるもの」

――なぜ、「処罰が軽い」のだろうか?
動物、特に、自分の飼っている動物に対して傷害を負わせたというだけで刑事事件となるというケースは、過去にくらべれば増えてきたものの、今のところ、そこまで多くない状態で留まっていると思います。
そのような状態について、処罰が軽いと感じる人もいるかもしれません。
このような現状となっているのには、さまざまな理由があると思います。
たとえば、人間が人間を傷つけたら、暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)が成立することになりますが、その場合であっても、当事者の関係性、行為やケガの態様などにもよりますが、被害者と示談が成立したような場合には起訴されることなく終わることも多いのです。
そのように、人間にケガをさせたようなケースでも起訴されない場合もあることとの均衡も考えられているでしょう。
また、動物が法律的に「物」とされていることや、動物愛護や動物虐待防止という考え方がまだ国民全体に浸透していない、ということも理由として挙げられるかもしれません。
ただし、刑事事件の取扱いの現状がどうであれ、また、動物が法律的には「物」とされているのだとしても、命あるもの、生きているものであることは間違いありません。
正当な理由なく、動物を殺したり、傷つけることが許されるものではない、ということは間違いなくいえるでしょう。

【取材協力弁護士】 鈴木 智洋(すずき・ともひろ)弁護士
専門は労働法(使用者側限定)、行政法(行政側限定)、動物法・ペット法。動物法・ペット法に関しては、ペット法学会に所属する他、国立大学法人岐阜大学応用生物科学部獣医学課程の客員准教授も務めている。
事務所名:後藤・鈴木法律事務所
事務所URL:http://www.gs-legal.jp/index.html

弁護士ドットコムニュース編集部


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3575

Trending Articles