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紀州犬絶滅の危機

「紀州犬」絶滅の危機 激減のわけは・・・

2018年12月3日(月) MBS

和歌山生まれの天然記念物、日本犬の在来犬種「紀州犬」がいま、絶滅の危機だといいます。
1992年には3600頭産まれていましたが、2017年は370頭ほどにとどまり9割も減少してしまいました。
なぜ「紀州犬」はここまで激減してしまったのでしょうか。

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減少の一途をたどる「紀州犬」

11月に東京・八王子市で開催された「第115回 日本犬全国展覧会」。
年に2回開催される全国大会で、ここで日本犬のチャンピオンが決まります。
全国から様々な犬種が集まった会場には、海外からの観客の姿も。
「フランスです」
「オランダ。この大会のためにオランダから来ました」
今回は柴犬・紀州犬・四国犬・甲斐犬の4犬種、約600頭が参加。
しかし、その内訳を見てみると、柴犬が450頭以上なのに対し、紀州犬や四国犬などの中型犬はその3分の1、わずか150頭ほどでした。
「昔は中型犬の方が多いぐらいの時代もあった。特に紀州犬・四国犬の減少というのはあります」(日本犬保存会 井上実・事務局長)
和歌山、三重など紀伊半島一帯が原産とされる「紀州犬」。
和歌山県では県のPRキャラクター「きいちゃん」に採用され、古くは弘法大師が高野山を開創するにあたり、2頭の紀州犬が道案内をしたと言い伝えられています。

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太古の昔から日本人に親しまれてきた紀州犬が、いま減少の一途をたどっているのです。
日本犬保存会によると、1年間に発行する紀州犬の血統書の数は、1992年には約3600頭ありましたが、2005年には1000頭を切り去年は約370頭にとどまったといいます。

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紀州犬の性格、体格、特徴は?
激減する紀州犬。
市川いずみアナウンサーが原産地である和歌山県へ向かいました。
みなべ町に住む青木雄三さん(72)。
愛犬はもちろん紀州犬です。
Q.紀州犬を何頭飼ってらっしゃるんですか?
「8頭ですね」(青木雄三さん)
梅農家を営む青木さんにとって、紀州犬は大事な仕事のパートナーです。
「イノシシが来ないんです。この辺りにイノシシ多いんやけどね。1キロメートルぐらいは来ないですね。(紀州犬の)においとか声とかで」(青木雄三さん)
Q.結構守ってくれている?
「そうです。番犬には最高ですね」
青木さんが飼っているオスと近くで飼われているメスとの間に、最近子犬が産まれたそうで見せていただきました。

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Q.かわいい。双子ですか?
「双子です」(大野茂さん)
Q.生後何日目ぐらいですか?
「1か月ほど」
市川アナウンサー、生後1か月の紀州犬を抱かせてもらうことに。
(市川アナ)「こんなに小さいんですけど、筋肉質なのがわかります」
(青木さん)「犬が”かたい”でしょ。紀州犬の特徴なんです」
飼い主に忠実で、しつけやすい性格の紀州犬ですが、もともとは野山を駆け回っていた「狩猟犬」。
成長すると、体重は20キロほどになり力も強くなります。
いまは散歩などの世話もできているという青木さんも現在72歳。
いつまで世話ができるか不安はあるといいます。

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 「9割超が60代以上」飼い主の高齢化深刻
紀州犬が激減した一番の理由は、中型犬を飼いにくい住宅事情ですが、飼い主の高齢化も大きな問題です。
その現状をなんとかしようと、取り組んでいる団体があります。
「天然記念物紀州犬保存会」です。
「全盛期が昭和40年~50年だったんですけど、その時分だったら、この和歌山県内で600~700人ぐらいが紀州犬を飼っていた。それが今は、紀州犬を探すのが難儀するという状態。(飼っている人で)30代、40代というのは本当に数人しかいない。9割以上が60代以上。あと5年、10年経ったら犬もよう飼えなくなる。そうなると、紀州犬がなくなってしまうんじゃないか。それが一番心配なこと」(天然記念物紀州犬保存会 中口泰夫さん・68歳)
保存会が設立されたのは今から50年以上前ですが、実は保存会自体も会員の高齢化などにともない、ここ数年、休眠状態でした。
しかし、このままでは「紀州犬が絶滅してしまうかもしれない」と危機感を抱いたメンバーが集まり、今年8月に活動を再開させました。
会員最年少の中島三恵さん(43)もそんなメンバーの1人です。
3年前に紀州犬を飼い始めた中島さんは、すぐにその魅力に心を奪われました。
「この子たちがいなくなるのかなと思うと怖くなりまして、なんとかしないと。私にできることはすべてやりたいなと思っています」(天然記念物紀州犬保存会 中島三恵さん)

動物園に寄贈「市民に紀州犬を知ってもらいたい」
活動を再開させた保存会がまず手掛けたのが“見てもらう機会を作ること”です。
この夏保存会は和歌山市にある「和歌山公園動物園」に2頭を寄贈しました。
「なんとか市民に紀州犬を知ってもらいたいということで、動物園に紀州犬をおかせてもらった」(天然記念物紀州犬保存会 中口泰夫さん)
動物園では見てもらうだけではなく、平日限定で1日3回ふれあい体験も実施しています。
(女の子)「かわいいー」
(飼育員)「ゆっくりよしよししてあげてね」
ふれあった感想は?
(女の子)「毛がかたかった」
(女性)「地元の犬だけど、見たことがなかったので、貴重な体験です」
紀州の歴史と共に生き続けてきた「紀州犬」。
保存会では、これから積極的に様々な場所に出て紀州犬を知ってもらうための活動をしていきたいといいます。
「紀州犬の本場である和歌山市においてでも、『紀州犬て何?』という人もいるわけです」(天然記念物紀州犬保存会 中口泰夫さん)
「紀州犬をもっともっといろんな人に知っていただいて、若い人たちにも飼育してほしいというのが、本当に一番の願い」(天然記念物紀州犬保存会 林剛司会長・78歳)
(11月30日放送 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」内『私たちスルーできないっ!!』より)


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