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ブリーダーの男性倒れ、残された甲斐犬24匹は・・・(静岡)

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ブリーダーの男性倒れ、残された甲斐犬24匹は・・・(静岡)

2018年8月9日(木) 朝日新聞

静岡県焼津市の県道沿いの民家で6月末、繁殖業者(ブリーダー)の男性(74)が転倒して入院し、24匹の甲斐犬が取り残された。
それから約1カ月にわたり、親戚の看護師増田佐知子さん(45)が藤枝市から通ってボランティアと共に世話をしている。
だが、いつまでも続けることは難しく、支援が必要な状態になっている。


増田さんと甲斐犬の「エフ」=2018年8月2日午前10時28分、静岡県焼津市

男性は一人暮らし。
20年以上前から自宅で犬の繁殖業を営んでいた。
今年6月24日、転んで脳挫傷に。
意識は戻ったが、今も意思表示が難しい状態だ。
増田さんは男性のおいの妻。
犬を飼った経験はなかったものの、窮状を見かねて7月初めから世話を始めた。
エサだけは別の親戚が朝晩あげていた。
だが、ふんや尿は狭いケージに垂れ流し。
生後2週間の子犬が5匹おり、3匹は死に、残る2匹もノミとダニにたかられ、瀕死(ひんし)の状態だった。
妊娠したメスも1匹いた。
動物愛護ボランティアに協力をあおぎ、医者にみせ、治療や中絶手術を行った。
甲斐犬は猟犬などとして利用され、一人の飼い主にしか懐かないと言われる。
どの犬もケージからほえ続けていた。
中でも「エフ」は手ごわかった。
犬歯を見せてすごみ、よだれを垂らしながらケージの中でグルグル回っていた。
増田さんはひまを見ては訪れ、日中はケージから出し、散歩に連れ出したり暑さ対策の日よけを設置したりした。
多くの犬が徐々に慣れ、尻尾を振るようになった。
今ではエフが一番増田さんに懐いた。


「一匹も殺処分をせず、生をまっとうしてほしい」と願う。
ただ、24匹を飼い続けることは困難という。
NPO法人「しだはいワンニャンの会」がホームページ「駿河の甲斐犬たすけ隊」(kaiken2018.jimdofree.com)で治療費などの支援や譲渡希望などを募っている。
県衛生課動物愛護班によると、県内のブリーダーには2年に1度、保健所が立ち入り調査をしている。
焼津の男性も今年初め、立ち入り調査を受けた。
その際に職員が「数を減らした方がいい」と口頭で指導したが、男性は「自己責任で終生飼育するから」と応じなかったという。
動物愛護法には飼育頭数やケージの大きさ、飼い主の年齢上限などについて定めがない。
県は「相次ぐ多頭飼育崩壊を止めるためにも、法改正が必要だ」としている。
(阿久沢悦子)


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