西日本豪雨、死者126人に 平成水害で最悪
2018年7月10日(火) 中日新聞
広島県熊野町の土砂崩れの現場で行方不明者を捜索する災害救助犬=9日午後7時5分
活発な梅雨前線による西日本豪雨は九日までに各地で被害が拡大し、死者は12府県計126人に上った。安否不明者は岡山県倉敷市や広島市で大幅に増え、6府県86人になった。
中国・四国地方を中心とした被災地では厳しい暑さの中、救助や捜索が続いた。
気象庁は大雨特別警報を全て解除したが、引き続き土砂災害や河川氾濫への警戒を呼び掛けた。
総務省消防庁によると、9日午後5時半時点で15府県の避難所に計約1万1千人が身を寄せた。
死者・行方不明者299人を出した1982年の長崎大水害に次ぐ被害で、平成で最悪となった。
政府は8日、非常災害対策本部を設置した。
安倍晋三首相は9日午前の会合で「(警察や自衛隊などの)実動部隊を7万3千人に増強し、全力で救命救助に当たっている」と述べた。
安否不明者の大半は広島県と岡山県に集中している。
倉敷市真備町地区では川の堤防が決壊し、地区の約3割が浸水。
建物の屋上などに千人以上が一時取り残された。
国土交通省はポンプ車で同地区での排水を進めた。
市によると、浸水家屋は推計約4千6百戸、地区一帯からの避難者は3千~5千人とみられる。
患者や職員らが孤立していた「まび記念病院」では9日未明、全員の救出を確認した。
8日以降も各地で死者を確認。
広島県では、熊野町川角五の住宅地で土砂崩れに巻き込まれて12人が安否不明になり、うち1人とみられる遺体が、福山市ではため池決壊で家ごと流された女児(3つ)の遺体が見つかった。
愛媛県宇和島市で土砂崩れにより住宅で生き埋めとなった男性(63)と、高知県大月町で裏山が崩れ住宅が倒壊した女性(58)も死亡した。
倉敷市真備町地区でも多数の遺体が見つかった。