愛犬と夏の思い出を 「同宿可」小浜の民宿人気
2018年7月5日(木) 日刊県民福井
嶺南地方の各地で次々と浜開きが行われる中、小浜市の犬熊海岸でも海水浴シーズンが始まり、愛犬連れの浴客が目立つ。
海岸近くにペットと一緒に寝起きができる民宿「浜岸」があるからで、民宿離れが進む中、年間百組ほどの愛犬家を集めている。
愛犬と泊まれる「浜岸」=小浜市犬熊で
お客を出迎えるのは、経営者の浜岸宗嗣さん(62)、由利さん(63)夫妻と、雌の白い雑種犬「チョロ」。
犬熊海岸を散歩するチョロと浜岸宗嗣さん=小浜市犬熊で
チョロは2011年暮れ、生後3~4カ月で海岸に捨てられていたところを夫妻が引き取り、以来、民宿では珍しい室内犬としてかわいがられてきた。
“看板犬”のチョロが、宿にさらなる転機をもたらしたのは3年前。
民宿のホームページ作成を業者に依頼した際、「ペットも泊まれる宿として打ち出してはどうか」と提案され、思い切って「ペット同宿」を始めることにした。
宿は2階建ての鉄筋と木造の2棟。
6畳の和室が4部屋あり、畳の部屋で愛犬と並んで寝られるようにした。
餌や寝床、トイレは持ち込んでもらい、食器やトイレシートは提供。
浴室に犬を入れることはできないが、外の温水シャワーを利用してもらうシステムとした。
一人一泊税込み8千百円から、愛犬は1匹まで無料、2匹目以降は千円と設定した。
「ペット同宿可」はすぐに評判となり、現在では宿泊客の半数以上が愛犬連れだ。
浜岸さんは「泊まりがけで海水浴に来るお客さんはめっきり減ったが、ペット同宿を始めてから、平日にも来るようになった」と笑う。
昨年は、北海道から九州まで全国から宿泊客が訪れた。
ただ、飼い主と同宿できるのは小型犬のみという条件もある。
「2階まで階段を抱いて上がれる大きさ、チョロが怖がらないサイズまで、ということにしてもらっている」と由利さん。
浜岸さんは「愛犬とバーベキューなども楽しんで、思い出をつくってほしい」と話し、チョロと迎える7度目の盛夏を楽しみに待っている。
(問)浜岸=0770(54)3359 (山谷柾裕)