全国初、犬猫の殺処分ゼロへ新制度 ペットショップを協力店に認定 福岡市
2018年4月4日(水) 西日本新聞
福岡市の認定制度を周知するポスターが貼られたペッツファースト福岡天神店
福岡市は3日、犬猫の殺処分ゼロに向けた市独自の基準を満たしたペットショップを協力店として認定する制度を始め、市内8店を認定した。
市によると、自治体が基準を設けて認定する制度は全国初。福岡市を参考に奈良市も6月から同様の制度を始める。
協力店の認定基準は、
(1)東部動物愛護管理センター(東区)などに保護された犬猫の譲渡会を、客が購入前に案内する
(2)飼い主を識別できるマイクロチップ(長さ約1センチ、直径約2ミリ)を皮下に装着した犬猫のみ販売
(3)「終生飼育する」などと誓約してもらった上で販売する
-が柱。
客から得た飼い主情報を日本獣医師会管理のデータベースなどに登録することも求めている。
福岡市長「犬猫との出合いはまず譲渡会へ」
1個数千円かかるマイクロチップの装着費用は店側が負担する。
譲渡会を勧めれば店の売り上げにも影響が出る可能性もあるが、優良店に認定された「ペッツファースト福岡天神店」(中央区)の重村朱里副店長(21)は「動物の命を最優先に考え、殺処分ゼロを目指す動きは共感できる」と制度の広がりを期待する。
同日記者会見した高島宗一郎市長は「犬猫との出合いはまず譲渡会へ。店なら認定店を」と呼び掛けた。
市によると、2017年度に同センターに保護された犬猫は737匹。
市が飼い主への説得などを始めた結果、殺処分は341匹と07年度の約10分の1まで減ったが、依然多い。
市は24年までの犬猫の殺処分ゼロを目標に掲げている。
市は認定ステッカーやポスター作成などPR費として約500万円を見込む。
制度を紹介するホームページも開設した。
ずっといっしょ.COM
https://zuttoissho.com/
【ずっといっしょポスター】
3つの約束の詳しい内容をポスターにしました。
お店の方は、ぜひ印刷してお客様への説明などに活用してください。
犬猫の殺処分ゼロへ ペットショップ認定制度を福岡市が導入
2018年4月4日(水) 産経新聞
福岡市は3日、犬や猫の適正な飼育を促し、殺処分ゼロを目指そうと、一定の基準を満たしたペットショップを市が認定する「犬猫パートナーシップ店制度」を導入した。
販売する犬猫に飼い主が分かるマイクロチップを付けるなど、8つの基準を設けた。
(高瀬真由子)
▽市などで保護している犬猫の譲渡に協力する
▽購入者に対し、最後まで飼うことや飼えなくなった場合は新しい飼い主を探すことを誓約してもらう
-など8項目を認定基準とした。
ペットショップの認定制度は全国で初めてで、6月には奈良市も同様の制度を導入するという。
認定されれば、市のホームページで店舗を紹介する。
認定ステッカーなどを店に配布し、優良店とPRできるようにする。
3日時点で8店舗が認定された。
福岡市の動物愛護管理センターには平成29年度、犬202匹、猫535匹が収容され、計341匹が殺処分された。
市は殺処分を減らそうと、同センターのサイト「わんにゃんよかネット」を通じて、新たな飼い主を探している。
生後すぐに収容された猫を、譲渡可能になるまで預かってもらう「ミルクボランティア」も募集している。
こうした施策で、殺処分は減少傾向にあるが、ゼロには遠い。
市は、ペットショップと連携し、飼い主の意識向上を目指す。
高島宗一郎市長は記者会見で「ペットショップの中には、かわいいときだけセールのように売ることに、疑問を持つ店舗もある。命の大切さを飼い主に訴えることに共感する店を増やし、こうした店の利用を勧めたい」と語った。