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わさお、戌年もマイペースで

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わさお、戌年もマイペースで/「母さん」亡くなり1ケ月、元気に新年

2018年1月1日(月) 東奥日報


飼い主・菊谷節子さんの思い出を胸に戌年の新年を迎える「わさお」一家。
大黒柱わさおを真ん中に嫁つばき(左)と娘ちょめ(右)

強い絆で結ばれていた飼い主の菊谷節子さん=享年(73)=が昨年11月30日に旅立って約1カ月。
青森県鯵ケ沢町の人気犬わさおは、寂しげなそぶりを見せることもなく、今までと変わらずのんびり、マイペースな暮らしを送っている。
戌(いぬ)年の2018年も、わさおは2匹の家族と周囲の人たちに囲まれて、イカ焼き店を訪れる人たちを元気に出迎える。
年末年始も営業しているイカ焼き店「菊谷商店」。
わさお目当ての人が次々に訪れ、その姿をカメラに収めていた。
わさおは犬小屋の奥でほとんど表情を変えず動かない。
いつも通りのわさおだ。
わさおの活動を支援する同町のグループ「わさおプロジェクト」代表の工藤健さんによると、わさおは時々、菊谷さんがいないことがふに落ちないような表情をすることがあるものの、食欲は十分。
散歩では元気に走り回るなど気落ちした様子は見られないという。
工藤さんは「母さん(菊谷さん)が準備万端整えたから」と話す。
13年に菊谷さんが長期入院した際、ストレスからかわさおの毛が抜け落ちたことがあった。
それ以降、菊谷さんは「わさおがずっと元気でいられるように」と、さまざまな手を打ってきたのだ。
わさおが寂しくないように家族を増やしたのもその一つ。
14年夏から嫁の「つばき」が一緒に暮らし始め、16年春には里親を探していた「ちょめ」が「娘」として家族に加わった。
つばきは最近、わさおから何かを感じるのか、わさおにピッタリと寄り添っていることがあるという。
店内で菊谷さんがいつも座っていた椅子は、そのまま残されている。
「今も母さんが店にいるような気がする」と話す工藤さん。
誰よりもわさおのことを考えていた菊谷さんの思いは、工藤さんや店の人たちが受け継ぐ。
工藤さんは「のほほんとしてマイペースなのがわさおの魅力。そんな“わさおらしさ”を、会いに来てくれる人も含めたみんなで守っていく」と力を込めた。


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