犬の引き取り鈍く 猫ブームで? 行橋の動物病院(福岡)
2017年1月18日 朝日新聞
飼い主の登場を待つ犬たち。村山真知子さんにじゃれつく=行橋市
行橋市門樋町の原田動物病院で、譲渡犬の飼い主がなかなか見つからない「異変」が起きている。
一昨年までは「右から左だった」というほど、すぐに引き取られていたが、昨年以降は動きが鈍いという。
原田動物病院では、室外で飼っている雌犬から生まれた子犬について、母犬の避妊手術を条件に引き取り、新しい飼い主を探す取り組みを続けている。
引き取る子犬は、一昨年までは年間平均40~50匹だったが、昨年は82匹と急増した。
例えば、子犬が5匹生まれると、以前は母犬の飼い主の近所の人や知り合いが3匹をもらい受け、残り2匹が持ち込まれる、といったケースが多かった。
ところが、昨年は生まれた子犬すべてが持ち込まれることもあったという。
しかも、子犬の引き取り手がなかなか現れなくなった。
現在、飼い主を探しているのはシバイヌなどの雑種11匹。
生後3~5カ月で、当初20センチだった体長が今では3倍ほどになった。
餌代も膨らみ、病院の負担になっているという。
病院は猫の飼い主探しにも取り組む。
昨年は69匹を引き取り、現在6匹が残っているが、拾った猫を飼うために健康診断を頼む人も多いという。
「猫ブームの影響を感じる」と院長の村山真知子さん(63)。
マンションやアパートが増え、室内で飼える小型犬に人気が移り、室外犬が敬遠される傾向も、犬の引き取りが減っている背景にあるとみる。
村山さんは「これ以上、不幸な犬が増えないよう、室外で飼う犬には不妊手術を徹底してほしい」と話している。
問い合わせは原田動物病院(0930・22・1396)へ。
(久恒勇造)
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