犬猫殺処分:「ゼロ宣言」へ 飼い主説得強化 福岡市
2013年11月02日 毎日新聞
高島宗一郎・福岡市長
福岡市の高島宗一郎市長は11月4日、犬や猫の殺処分数ゼロを目指す「ゼロへの誓い」を宣言する。
市は2009年度から飼い主を説得するなど犬、猫の引き取り数を増やさない取り組みを展開しており、「殺処分ゼロ」への活動を本格化させる。
市の犬や猫の殺処分数は、08年度は3022頭だったが、12年度は558頭に減少。
09年度からは、市独自の動物愛護管理推進実施計画に基づき、引っ越しなど安易な理由で犬や猫を処分しようとする飼い主に、飼育継続の説得を続けている。
今年9月には改正動物愛護管理法が施行され、「相当な理由」がない場合は行政側が引き取りを拒否できることになったため、市生活衛生課は「殺処分ゼロに向けた市の取り組みを下支えする環境が整った」と話す。
全国では熊本市の殺処分減少への取り組みが進んでおり、12年度は21頭までに減らしている。
こうしたことから環境省は「自治体によっては、単年度の殺処分ゼロはありうる」としている。
また、福岡市は、やむを得ず殺処分する場合、炭酸ガスによる大量処分から動物の負担が少ない個体別の麻酔注射へ移行する方針も固めた。
炭酸ガス処分に比べて動物の負担が少ないといい、環境省動物愛護管理室は「先駆的な取り組み」と評価する。
高島市長は4日に市役所西広場で開かれる「どうぶつ愛護フェスティバル」で、「ゼロへの誓い」を宣言し、「人にも動物にもやさしい福岡」を目指す街づくりを市民に呼びかける。
【松本光央】